全身性強皮症(SSc)とはどんな病気か

 強皮症のうち、内臓病変を伴う全身性の病型です。皮膚が硬く弾力がなくなり、つまみ上げられなくなる状態を「皮膚硬化」といいます。全身性強皮症は皮膚の硬化を主症状とし、消化管や肺などの内臓臓器の硬化を伴う膠原病(こうげんびょう)です。
 従来は病名に進行性という言葉が入っていましたが、必ずしも進行するとは限らず、自然に軽快することもあるため、今は除かれました。クレスト症候群は本症の一病型です。

原因は何か

 自己免疫現象が関係するようですが、真の原因は不明です。まれにシリカ、塩化ビニール、有機溶媒、エポキシレジンなどが原因の職業性強皮症があります。

症状の現れ方

 発病に数年先行して、指先が寒冷刺激で蒼白となるレイノー症状が現れることが多いようです。発症初期は手指の持続性の浮腫(ふしゅ)が主体ですが、やがて硬化期に入り、皮膚が徐々に硬くつまみ上げられないようになり、皮膚のしわは少なく、光沢をもつようになります。この皮膚硬化の範囲は病型により範囲、程度が異なります。肘(ひじ)・膝(ひざ)よりも末梢に限られているものを限局型、近位に広がるものを汎発型と分類します。
 時間がたつと皮膚の硬化は完成し、徐々に萎縮が皮下組織まで進行して萎縮(いしゅく)期に至ります。内臓病変では肺線維症(はいせんいしょう)などの呼吸器病変、逆流性食道炎などの消化管病変、不整脈などの心臓病変、肺高血圧、腎性高血圧などを合併します。

検査と診断

 皮膚生検による組織検査が重要です。膠原線維の増生、変性、均質化とムチン(粘液蛋白)の沈着、汗腺などの皮膚付属器の萎縮を認めます。臨床検査では抗核抗体陽性、抗トポイソメラーゼI(scl70)抗体、もしくは抗セントロメア抗体が陽性になります。レイノー症状の強い場合は抗RNP抗体が陽性となります。赤血球沈降速度の亢進、高ガンマグロブリン血症もよく伴います。
 皮膚硬化が広範な汎発型ではscl70抗体が陽性、皮膚硬化が末梢に限られている限局型では抗セントロメア抗体が陽性となります。心電図、胸部X線、食道造影、内視鏡などの検査も必要となります。肺がん胃がんなどの悪性腫瘍の合併が健康な人より多いため、注意が必要です。

治療の方法

 軽症の場合はビタミンEなどの末梢循環改善薬、重症例や進行性の場合はステロイド薬、免疫抑制薬などが用いられますが、決定的な治療法はありません。温浴やマッサージなどの理学療法も大切です。
 内臓病変がある場合はそれぞれ病変に応じた治療をします。

全身性強皮症(SSc)に気づいたらどうする

 皮膚科専門医またはリウマチ膠原病専門医を受診します。日常生活では寒冷刺激、感染症などを避け、病気の進行を食い止めるようにします。自然に症状の進行が止まったり、改善する場合も少なくないので、日常生活で悪化させない工夫が大切です。

関連項目

 膠原病