エクリン汗孔炎・多発性汗腺膿瘍(あせものより)とはどんな病気か

 あせもにブドウ球菌が感染し、皮膚の浅い部分に膿疱(のうほう)を生じたものを汗孔炎といいます。汗孔炎のあとに、皮膚のより深いところのエクリン汗腺(かんせん)部に膿瘍ができた場合は汗腺膿瘍と呼びます。

原因は何か

 汗孔(汗が出る管の出口)から黄色ブドウ球菌が感染して生じます。夏季にあせもに続発することが多く、汗の量が増え、汗管の出口が詰まって汗が皮膚のなかにたまることが誘因になります。汗腺膿瘍はより深い、汗をつくる腺の部分にまで黄色ブドウ球菌が侵入して生じます。

症状の現れ方



 夏季に、乳幼児の頭、顔、首周囲や背中の上部、お尻などにできることが多く、赤いぶつぶつや膿疱が固まらないでばらばらに多発します(図44)。痛みやかゆみはほとんどありません。


 多発性汗腺膿瘍では、エクリン汗孔炎に続いて大豆大の赤いしこりが多発し、続いてぶよぶよと触れる膿瘍となります(図45)。乳幼児の顔や頭に多く、とても痛がります。エクリン汗孔炎といっしょにみられ、近くのリンパ節がはれることもあります。

検査と診断

 膿疱や膿瘍から黄色ブドウ球菌が検出されます。毛包炎せつ(せつ)ならば、毛包に一致していて、膿栓(のうせん)(毛包に一致してうみが見える状態)が認められ、汗孔炎より炎症や痛みが強く、乳幼児にできることはまれなので、区別できます。

治療の方法

 いずれも抗菌薬を内服し、抗生剤の軟膏を塗布します。汗孔炎は瘢痕(はんこん)も残さずに治りますが、多発性汗腺膿瘍に移行して膿瘍となったものは、切開してうみを出します。切開後には軽い瘢痕を残す場合があります。

エクリン汗孔炎・多発性汗腺膿瘍(あせものより)に気づいたらどうする

 いずれの病気もあせもに続いて発症するので、あせもが生じないよう注意します。子どもには汗を吸う綿100%の衣類を着せ、風通しのよい、涼しいところで遊ばせ、汗びっしょりになった時は早めにシャワー浴などで清潔を保つことが大切です。夏の間は髪の毛を短く切っておくこともあせもの予防に役立ちます。
 汗孔炎・汗腺膿瘍ができてしまったら、早めに適切な治療を受けましょう。