クリッペル・ウェーバー病とはどんな病気か

 クリッペル・ウェーバー病はクリッペル・トレノニー・ウェーバー症候群とも呼ばれ、生まれつき四肢の広い範囲にできる血管腫があり、その側の四肢の肥大や長さの延長がみられます。そのため成長とともに脚の長さがだんだん違ってきて歩行障害などが起きます。また骨や軟骨の肥大、血管の異常もみられます。まれに血管腫のできた側の手、足の先天異常(多指(たし)(趾)、合指(ごうし)(趾)など)を伴うこともあります。これらの症状はさまざまな程度で現れます。


 クリッペル・トレノニー症候群とウェーバー症候群は2つの独立した疾患であるとする考えもありますが、共通の症状として先に述べたものがあげられます。前者は主として静脈の異常で主に下肢(図73)に、後者は動静脈奇形があり主に上肢に多いとされています。遺伝については、まだはっきりとは解明されていません。

検査と診断

 四肢の片側に単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)(赤あざ)が広く分布していて成長の左右差があれば、この病気を疑います。骨の変化をX線やCTで調べたり、血管の異常を造影検査でみたり、神経学的な検査を行ったり、症状に応じた検査を行います。先に述べた特徴的所見があれば本症と診断します。

治療の方法

 治療は対症療法です。血管腫が浅いレベルなら色素レーザー照射が有効ですが、しばしば深い病変も伴っているので再発することもあります。深い血管腫にはあまり有効な治療法はないようですが、硬化療法(こうかりょうほう)を行った報告もあります。
 成長の左右差に関しては、歩行障害が生じるので適切に治療しなければなりません。これまでは骨の成長部分である骨端の閉鎖を行うこともありましたが、身長がどこまで伸びるのかを見極めるのも難しく、ある程度成長が終わるのを待って、短い健常の脚のほうの骨を伸ばすことも試みられています。
 いずれにしても皮膚科、整形外科などで総合的に経過をみながら、適切な時期に治療を行うことが重要です。

クリッペル・ウェーバー病に気づいたらどうする

 生まれてすぐは血管腫だけが現れることが多いので、レーザー治療などを行いつつ経過をみます。成長の左右差が出始めたり、患側の肥大がはっきりしてきたらそれぞれの検査、治療に入ればよいと思います。
 いずれも成長の時期をみながら、長い経過で治療が必要になってくる疾患群のひとつです。