ケロイド、肥厚性瘢痕<皮膚の病気>の症状の現れ方

 ケロイドは、胸骨部、肩、上腕の外側、上背部、恥骨(ちこつ)部に発生しやすい病気です。手術やけがの痕(あと)のほか、にきびの痕や本人が気づかないような小さな傷から発生します。表面に光沢のあるやや赤いしこりで、辺縁部はなだらかに隆起し、周囲の皮膚は赤みを帯びています(図79)。
 次第に周囲の赤みを帯びた皮膚も光沢をもちながら隆起し、辺縁へと拡大していきます。ケロイドの拡大とともに中心部はしばしば赤みが少なくなって平らになりますが、元どおりの皮膚にはもどりません。かゆみがあり、横からつまむと痛みもあります。進行はゆっくりしています。
 肥厚性瘢痕は、ケロイドと同様の部位のほかに耳介(じかい)、臀部(でんぶ)、足背などに発生しやすい病気です。見た目はケロイドに似ていますが、傷の周囲の健康な皮膚は侵されず、これを押し拡げるようにして大きくなります。辺縁はしばしば急激に盛り上がっていて、時には基部にくびれがあります。赤みがある間は大きくなる可能性があり、この時期にはかゆみを伴います。けがや手術の痕など明らかな傷跡に発生します。傷が治ったあと2〜3カ月以内に発症し、急速に大きくなりますが、半年から数年たつと小さくなり、やがて平らになります。

ケロイド、肥厚性瘢痕<皮膚の病気>の診断と治療の方法

 いずれの場合も圧迫療法、薬物治療、外科的治療が主な治療法です。圧迫療法はスポンジ、シリコンゲルシート・クッションなどを局所に当て、サポーター、包帯、粘着テープなどで圧迫する方法です。薬物治療としては、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬を病変部に直接注射する方法が効果的です。トラニラストという抗アレルギー薬の内服が行われることもあります。
 外科的治療においては、単に病変部を切除しただけでは再発して、さらに大きくなることは必至です。肥厚性瘢痕では切除後、局所に生じる張力を減らしたり、張力の作用する方向を変える工夫をすることで再発を防ぐことができます。しかし、ケロイドの場合、これだけでは不十分で、術後早期から放射線治療を行う必要があります。