血管腫(イチゴ状血管腫、赤ぶどう酒様血管腫、その他)<皮膚の病気>の症状の現れ方

 イチゴ状血管腫は、出生時にはわずかに赤いか無症状で、生後数週で急速に隆起し、増大します。表面はいちごのように鮮紅色を示す場合が多いのですが、色調には変化がないこともあります。また、その名のとおり表面がこぶ状に隆起するものは3割程度で、6割近くは軽度に隆起するだけです(図80)。
 赤ぶどう酒様血管腫は生まれつきある隆起しない赤い皮疹(ひしん)で、赤あざと呼ばれているものです(図81)。顔面に最も多くみられますが、体のいずれの部位にも発生します。赤あざは子どもの成長に比例して面積を増しますが、それ以上に拡大することはありません。
 眼の周囲に赤あざがみられる場合には、緑内障(りょくないしょう)などの眼症状、てんかんなどの脳神経症状を合併する場合があります(スタージ・ウェーバー病)。また、四肢の赤あざでは成長とともに患肢の肥大・延長、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)、動静脈瘻(ろう)などが明らかになる場合があります(クリッペル・ウェーバー病)。
 赤あざに類似した皮疹は、新生児の額や項(うなじ)の中心部にしばしば現れます。新生児の30〜50%にみられますが、自然に消えていく傾向が強く、1〜2歳までに大部分は消失します。これはサーモンパッチと呼ばれ、赤ぶどう酒様血管腫とは区別されます。しかし、項に発生したものはウンナ母斑(ぼはん)と呼ばれ、約50%は大人になっても残ります。

血管腫(イチゴ状血管腫、赤ぶどう酒様血管腫、その他)<皮膚の病気>の診断と治療の方法

 イチゴ状血管腫は自然に消えていくので、とくに合併症の危険がない大部分のものは、無治療で経過をみて差し支えありません。ただし、まぶたに生じ、眼をふさいでしまうようになったものや気道をふさぐものなどは、早急な治療が必要です。
 即効的な治療として、副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬の大量投与が行われます。効果が不十分な場合には、インターフェロンα(アルファ)の連日皮下注射が行われる場合もあります。これらの治療は効果的ですが、いずれも重い副作用を生じる可能性があります。
 単に色調だけを、自然経過よりも早期に淡くしたい場合には色素レーザー治療を行います。この治療は副作用が少ないのですが、こぶを小さくする効果は期待できません。
 赤ぶどう酒様血管腫に対しては色素レーザー治療が第一選択です。効果の程度は病変の深さによって違いますが、ほとんどの赤あざに対して効果があります。
 顔面のサーモンパッチは自然に消えていく場合が多いので、治療せずに経過をみます。ウンナ母斑は髪に隠れて目立たないので、ほとんど治療しません。