爪囲炎とはどんな病気か

 ばい菌による爪囲炎は、急性爪囲炎とひょう疽(ひょうそ)に分けられます。前者は指先皮膚の爪廓部(そうかくぶ)(爪廓軟部組織)、後者は深部(指尖球部(しせんきゅうぶ))の発赤・腫脹(しゅちょう)・疼痛・熱感を指しますが、両者の区別は必ずしも明瞭ではなくオーバーラップすることが多いようです。また、ばい菌による爪囲炎以外にもカビによるカンジダ性爪囲炎があります。


 なお、本項では爪の解剖用語を用いるので、図104を参考にしてください。

原因は何か

 黄色ブドウ球菌を原因菌にすることが多いようですが、その他のばい菌(化膿性連鎖球菌(かのうせいれんさきゅうきん)、大腸菌、緑膿菌(りょくのうきん)など)によることもあります。

症状の現れ方

 爪廓部の荒れた皮膚や、わずかな傷から生じます。爪周囲の発赤、腫脹および疼痛が著しく、圧迫すると爪廓の下のわずかな部位からうみが排出されます。時にかなり大きな血うみ(膿疱(のうほう))ができることもあります。また、爪母の障害により、横溝あるいは爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)などの二次的な爪甲の変化を来すこともあります。
 なお、カンジダ性爪囲炎ではこのような強い症状を認めないのが特徴です。
カンジダ性爪囲炎
 自覚症状はほとんどなく、近位爪廓および側爪廓は暗赤色にはれてわずかなかさぶた(鱗屑(りんせつ))を認めます。このような状態が数カ月間続いたあとに、二次的な爪甲異栄養症(そうこういえいようしょう)(変色した爪甲は凹凸不整となり、多数の横溝を認める状態)、爪甲剥離症などを生じます。

検査と診断

 ばい菌の種類を同定するため、細菌培養を行います。また、黄色のうみは黄色ブドウ球菌、緑色のうみは緑膿菌など、うみの性状は原因菌を推測するうえで参考になります。

治療の方法

 一般に症状が爪周囲の皮膚に限られ、爪床(そうしょう)の変化が少ない時には抜爪(ばっそう)などの処置の必要はなく、抗菌薬の全身投与と局所療法(膿疱の切開、排膿(はいのう)を含む)で十分です。

爪囲炎に気づいたらどうする

 指先に発赤・腫脹・疼痛・熱感などが生じたら、がまんせず皮膚科専門医を受診してください。