急性灰白髄炎(ポリオ)とポリオ様疾患<感染症>の症状の現れ方

 脊髄前角(せきずいぜんかく)細胞へのポリオウイルス感染による四肢を中心とした急性弛緩性(しかんせい)麻痺が典型的なポリオの臨床症状で、呼吸筋麻痺によって死に至る場合もあります。ポリオによる不可逆的な運動神経麻痺によって一生ハンディキャップを背負う子どもも少なくありません。
 ポリオウイルスに感染したすべての人が発症するわけではなく、典型的なポリオ発症の割合は感染者の1%以下で、ほかの多くの感染者は無症状か夏かぜのような軽い症状のみで回復します。

急性灰白髄炎(ポリオ)とポリオ様疾患<感染症>の診断と治療の方法

 市販されている治療薬はないので、発症後は対症療法およびリハビリテーションが重要になります。安全性と有効性に優れた予防法として、ポリオワクチンが全世界で使用されています。ポリオワクチンには、大きく分けて弱毒化生(じゃくどくかなま)ワクチンと不活化(ふかつか)ワクチンの2種類があり、どちらもポリオの発症を防ぐ効果があります。
 安価で投与しやすい弱毒化生ワクチンは日本を含む多くの国で現在も使用されていて、ポリオ根絶に大きな貢献をしています。一方、多くの先進国では、ごくまれに起こる弱毒化生ワクチンによる重い副反応のリスクを減らすために、不活化ワクチンの導入が進められています。