急性中耳炎とはどんな感染症か

 急性中耳炎は小児、とくに2歳以下の乳幼児に多くみられます。中耳と鼻の奥は細いトンネル(耳管(じかん))でつながっていて、かぜをひいた時などに鼻やのどのなかで増えた細菌がトンネルを通って、もともと菌のいない中耳に入り炎症が引き起こされます。
 大人に比べて子どもでは、このトンネルから中耳へ菌が侵入しやすい構造になっていて、しかも菌を除く免疫のはたらきが未熟なため、中耳炎が起こりやすいのです。季節的にかぜをひきやすい冬から春に多くみられます。
 炎症を起こす原因のほとんどが細菌による感染症で、肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因菌です。最近これらの菌のなかで抗菌薬の効きにくい薬剤耐性菌(たいせいきん)の割合が増え、子どもの難治性中耳炎の原因菌として問題になっています。

症状の現れ方

 鼻水やのどの痛みなどのかぜのような症状に続いて、発熱、急に耳の奥に刺すような強い痛みが始まり、耳がふさがって聞こえにくく感じます。「耳が痛い」ことをうまく伝えられない乳幼児では、耳に手をやるしぐさ、泣いてぐずる、不機嫌で眠らないなどの行動がみられます。時に耳のなかから粘液が出てくる(耳だれ)ことで気づくこともあります。

検査と診断

 耳のなかを直接のぞいて(耳鏡または内視鏡検査)鼓膜(こまく)の状態、発赤、腫脹(しゅちょう)(はれ)、耳だれの有無を観察して中耳炎を診断します。鼻炎(びえん)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)を併発していることが多いため、鼻のなかの診察も大切です。耳だれや鼻の奥のぬぐい液から原因となる細菌の検査をします。

治療の方法

 症状が軽く鼓膜の変化が少ない場合は、抗菌薬を使わず3日間鎮痛薬だけで様子をみます。軽症でも3日後改善しない場合に抗菌薬が処方されます。
 中等症、重症でははじめから抗菌薬が処方され、重症度に応じて抗菌薬の量を多く処方されることもあります。鼓膜の腫脹(しゅちょう)(はれ)が高度な場合や、抗菌薬を5日間使っても改善しない場合では、鼓膜を切開して中耳にたまった膿を吸い取ります。さらに抗菌薬の点滴をすることもあります。中耳炎の治療とともに鼻炎の治療も必要です。

急性中耳炎に気づいたらどうする

 耳鼻咽喉科医の診察を受けます。夜間など病院が診療していない時間帯に急に耳が痛くなったら、まず市販の鎮痛薬を服用して安静を保ち、翌日早めに受診しましょう。また、鼻を強くかみすぎないように注意します。

関連項目

 急性中耳炎