肺結核<感染症>の症状の現れ方

 結核の感染・発病は、肺結核患者が咳(せき)をしたり痰を出した時に、しぶき(飛沫(ひまつ))が1m以上飛び、その結核菌を核とした飛沫を吸い込むことによって起こります(飛沫核感染)。
 結核の初期症状でよくみられるのは、咳、痰、発熱、倦怠感(けんたいかん)、胸痛です。かぜや気管支炎の症状と似ていますが、咳、痰が2〜3週間以上続く場合は、結核を疑って早期に医療機関を受診することが必要です。高齢者では咳が目立たず、食欲不振や体重減少を主症状とする患者さんもいます。

肺結核<感染症>の診断と治療の方法

 標準的な抗結核薬を表4にまとめました。イソニアジド(イソニコチン酸ヒドラジド:INH)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)、ピラジナミド(PZA)の4種類の抗結核薬を治療開始後2カ月間投与し、その後イソニアジドとリファンピシンを4カ月間投与し、全期間を6カ月で終わらせるものです(図5)。
 80歳以上の高齢者や肝機能障害のある人でピラジナミドが使用できない場合は、最初の6カ月はイソニアジドとリファンピシンを使います。
 副作用として、イソニアジドによる手足のしびれ(末梢神経障害)、リファンピシンとピラジナミドによる肝機能障害、エタンブトールによる視力低下(視神経障害)、ストレプトマイシンによる聴力障害があります。
 最近、薬が効きにくい耐性菌も出現しており、ニューキノロン系薬(抗生物質の一種)やクラリスロマイシンも使われます。ツベルクリン反応が急激に強陽性となった場合は、予防的にイソニアジドを投与することもあります。
 日本では2003年から結核予防ワクチンとしてのBCG(東京株)接種は乳幼児の時の1回のみの施行となりました。小児結核(結核性髄膜炎)にはBCGワクチンが有効であることがわかっています。成人でのBCGワクチンの切れ味が弱いことから、現在新しい結核ワクチンが数種開発されつつあります。
 新しい化学療法剤も開発中で、近い将来には臨床応用されるでしょう。
 また、医療関係者や患者さんの家族は、結核菌を通さないマスク(N95タイプ)を使用して、結核菌を吸い込まないように注意します。