どんな症状か

 膿胸とは、胸膜(きょうまく)が炎症を起こし胸膜内に膿状の液体(うみ)がたまった状態をいいます。細菌性肺炎、胸腔内手術後に続いて起こるのが特色です。
 期間によって急性膿胸(3カ月未満)、慢性膿胸(3カ月以上)に分けられます。また、菌の種類によって結核性(けっかくせい)、化膿性、真菌性膿胸に分けられます。原因となる細菌はブドウ球菌が最も多く、ほかには肺炎球菌、クレブシエラ、グラム陰性桿菌(いんせいかんきん)があります。まれに膿胸から悪性Bリンパ腫が発症します。

症状の現れ方

 急性では悪寒(おかん)を伴う高熱、咳(せき)、胸痛、呼吸困難が主な症状です。重症の場合は血圧低下や敗血症を伴い、ショック状態となります。

検査と診断

 診断は胸部X線検査で胸水がたまっている像がみられ、胸腔(きょうくう)を穿刺(せんし)(針を刺す)して採取した胸水が膿性であれば、膿胸と確定します。
 胸水は必ず細菌検査をし、結核菌も培養して調べます。細菌性膿胸でも菌を検出できない場合もあります。また、胸部CT検査は膿状の液体がどのくらい、どこにたまっているのか判断するのにとても有用です。
 結核性膿胸の場合は慢性の経過をとり、多くは結核性胸膜炎の既往があって、胸水も膿性でなく褐色を示すことがあります。また、結核菌を証明できないことも多くあります。
 膿胸症例の44%で糖尿病、肝疾患、うっ血性心不全、閉塞性肺疾患などの基礎疾患を伴うことや、アルコール依存・喫煙との関係がいわれています。

治療の方法

 原因となる細菌に感受性のある抗生物質の全身投与と胸腔ドレナージ(チューブによる排液)の両方が必要です。抗生物質は、広域ペニシリンや第2世代セフェム系の薬物が点滴で投与されます。しばしばアミノグリコシド系薬剤も併用します。
 胸腔ドレナージに使うチューブは膿状の胸水の詰まりをなくすため、できるだけ太いものを使います。チューブから直接抗生物質を注入したり、生理食塩水で胸腔内を洗浄します。
 慢性膿胸は難治性なので、胸膜肺切除などで肺の膨張(ぼうちょう)を図る外科治療も行われます。

膿胸に気づいたらどうする

 結核専門医、呼吸器疾患専門医のいる病院(とくに国立病院機構の呼吸器専門病院など)を受診し、相談する必要があります。

関連項目

 肺炎肺結核