細菌性赤痢、疫痢とはどんな感染症か

 赤痢菌が腸に感染することが原因で起こる感染症です。赤痢菌はA群、B群、C群、D群の4グループに分けられ、最近はD群(次いでB群)による赤痢が多い傾向にあります。熱帯や亜熱帯地域への海外旅行で感染する人が多いのですが、日本国内で感染することもあります。赤痢菌が混入した食べ物や飲み物を食べたり飲んだりして感染します。
 疫痢は、小児にみられる細菌性赤痢の重症型で、循環不全(血圧の低下、意識障害など)を起こすなどで短期間に死亡します。しかし、どうしてそのような状態になるかは不明です。最近は疫痢をみることはほとんどなくなりました。

症状の現れ方

 菌で汚染された飲食物を食べたり飲んだりして1〜5日(1〜3日が多い)経過したのちに、発熱、下痢、腹痛が現れます。発熱は1〜2日で自然に下がることがほとんどです。軟便から水様便まで下痢の程度はさまざまで、血便になることもあります。重症になると、少量の膿粘血便(のうねんけつべん)を繰り返し何回も排出します。

検査と診断

 赤痢菌以外の病原体でも同様の症状を起こすので、ほかの病原体による腸炎と区別する必要があります。便から赤痢菌を分離することで診断します。

治療の方法

 抗菌薬で治療します。現在は、成人患者に対してニューキノロン系の抗菌薬が、小児患者にはホスホマイシンがよく使用されています。

細菌性赤痢、疫痢に気づいたらどうする

 細菌性赤痢の可能性があると思ったら、医療機関を受診することをすすめます。とくに食品関係者は受診してください。
 成人の場合は内科(胃腸科、消化器内科)、感染症科を、小児の場合は小児科を受診するとよいでしょう。下痢止め薬や手持ちの抗菌薬は服用せず、受診してください。
 ほかの人への感染を防ぐには、よく手を洗う必要があります。石鹸で十分に手を洗い、水道水できれいに洗い流すようにします。
 細菌性赤痢は感染症法では3類感染症に指定されており、医療機関で細菌性赤痢の患者、あるいは無症状病原体保有者(症状はないが赤痢菌が検出された人)と診断された場合には、保健所の調査があります。ほかの人への感染拡大を防止する意味もあるので、調査には協力してください。