腸チフス、パラチフス<感染症>の症状の現れ方

 口から入った菌が腸のリンパ節のなかで増殖して潰瘍をつくる一方で、血流に乗って菌が全身に広がり症状が出ます。感染源と接触してから症状が出るまでの潜伏期間は2週間前後です。
 主な症状は発熱で、38℃以上の高熱が続きます。解熱薬をのめば37℃くらいに下がることもありますが、きちんとした治療を受けない限り延々と続き、抗菌薬でいったん解熱してもまた出てきます。頭痛、関節痛、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴います。下痢は半分くらいの人にみられます。腸のリンパ節に潰瘍ができるため、腸出血や腸穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)の危険があります。

腸チフス、パラチフス<感染症>の診断と治療の方法

 治療は食事と安静と抗菌薬で行います。症状がある場合は、原則として入院治療となります。小腸に潰瘍ができるので、下痢はなくても消化のよい食事をとり、安静を守ることが大切です。熱がなくなれば退院することは可能ですが、解熱後1週間くらいは腸出血の危険があるので、安静が必要です。
 腸チフス、パラチフスに効果のある抗菌薬は限られています。クロラムフェニコール、アンピシリンまたはアモキシシリン、ST合剤が特効薬でしたが、現在は耐性菌(たいせいきん)や副作用などのために、ニューキノロン系薬が使われています。しかし、最近はそれに対しても耐性菌が出てきました。
 服薬期間は2週間が原則です。きちんと治療をしても菌が残ることがあるので、治療が終わってから確認の検査を行います。きちんと除菌をしておかないと、生涯にわたって保菌者になる可能性があります。なお、菌が残っていると食品を取り扱う仕事はできません。