風疹(三日ばしか)<感染症>の症状の現れ方

 風疹ウイルスに感染後、14〜21日の潜伏期ののち、発熱とともに全身に淡い発疹が現れます。通常3日程度で消失し、麻疹はしか)のように発疹のあとが長く残ることはありません。一般に「三日ばしか」とも呼ばれています。
 発熱は麻疹のように高熱が続くことは少なく、微熱程度で終わることも多くあります。また耳後部、頸部(けいぶ)あるいは後頭下部のリンパ節がはれることも特徴です。
 通常は数日で治る病気ですが、まれに血小板減少性紫斑病(3〜5千人に1人)、急性脳炎(4〜6千人に1人)といった合併症を併発することがあります。また、感染しても症状を現さない人が約15%存在し、発熱、発疹、リンパ節腫脹(しゅちょう)がすべてそろわない場合もあります。成人では、関節炎を伴うことがあります(5〜30%)が、ほとんどは一過性です。
 妊娠初期の女性が風疹にかかると、出生児が先天性風疹症候群(CRS)になることがあります。妊娠2カ月以内の女性が風疹にかかると、白内障(はくないしょう)、先天性の心臓病(動脈管開存症(かいぞんしょう)肺動脈狭窄(きょうさく)心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)、心房中隔欠損など)、難聴の2つ以上をもって生まれてくることが多いとされています。
 妊娠3〜5カ月に感染した場合でも難聴が多くみられます。その他、子宮内での発育が遅い、網膜(もうまく)の病気、緑内障(りょくないしょう)、小頭症(しょうとうしょう)、髄膜炎(ずいまくえん)、精神運動発達に遅れがある、肝臓や脾臓(ひぞう)がはれる、血小板減少性紫斑病などの症状が赤ちゃんに認められる場合があります。

風疹(三日ばしか)<感染症>の診断と治療の方法

 特異的な治療法はなく、対症的に治療します。発熱、関節炎などに対しては解熱鎮痛薬を用います。
 予防として弱毒生ワクチンが実用化され、広く使われていますが、先進国ではMMR(麻疹おたふくかぜ・風疹混合)ワクチンとして使用している国がほとんどです。日本では、2006年からMR(麻疹・風疹混合)ワクチンが広く使用されるようになり、2006年6月からは、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種制度が始まっています。
 CRSに対するウイルス特異的な治療法はなく、女性は妊娠する前にワクチンによって風疹に対する免疫を獲得すること、社会全体で風疹ワクチンの接種率を上げることで風疹の流行そのものを抑制し、妊婦が風疹ウイルスに曝露(ばくろ)されないようにすることが重要です。風疹が流行すると人工妊娠中絶が増加することもすでに報告されており、ワクチン接種率を上げることが急務です。
 2008年度から5年間の時限措置として、10代の者への免疫強化を目的に、中学1年生と高校3年生相当年齢の者に対する2回目の予防接種が、予防接種法に基づく定期接種に導入されました。