麻疹(はしか)<感染症>の症状の現れ方

 10〜12日の潜伏期ののち、発熱で発症します。発熱期は咳(せき)、鼻水、結膜炎(けつまくえん)症状が強く、38℃以上の発熱が数日続きます。病気の経過中、いちばん感染力が強い時期です。その後、いったん解熱傾向を示しますが、すぐに耳後部付近から発疹が現れるとともに、39℃以上の発熱が数日続きます。
 発疹出現前後1、2日間に、口腔粘膜(臼歯(きゅうし)の横付近)に白い粘膜疹(コプリック斑)が現れます。この粘膜疹は麻疹に特徴的であるため、これを確認して麻疹と臨床診断されることがほとんどです。発疹はその後、顔面、体幹、手足に広がって全身の発疹となり、数日後、色素沈着を残して回復に向かいます。
 肺炎中耳炎を合併することが多く、1000人に0・5〜1人の割合で脳炎を合併します。また、麻疹ウイルスに感染後、とくに学童期に発症することの多い中枢神経疾患として、亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)(SSPE)があります。知能障害、運動障害、ミオクローヌスなどの症状を示し、発症から平均6〜9カ月で死亡する進行性の予後不良な疾患です。発症頻度は麻疹にかかった10万人に1人程度といわれています。

麻疹(はしか)<感染症>の診断と治療の方法

 ワクチンを接種して発症そのものを予防することが最も重要です。接種時期は、1歳になったらできる限り早く接種することが望まれます。日本では、2006年からMR(麻疹・風疹混合)ワクチンが広く使用されるようになり、2006年6月からは、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種制度が始まっています。これらの時期に受けるワクチンは、定期接種として通常、無料で接種が受けられます。
 また、2007年の全国的な麻疹流行は10〜20代が中心であったため、国の麻疹対策が大きく変わりました。2008年度から5年間の時限措置として、10代の者への免疫強化を目的に、中学1年生と高校3年生相当年齢の者に対する2回目の予防接種(原則としてMRワクチン)が、予防接種法に基づく定期接種に導入されました。
 発症してしまった場合はウイルスに特異的な治療方法はなく、対症療法だけとなります。肺炎中耳炎を合併することも多く、入院率は約40%といわれています。