条虫症とはどんな感染症か

 条虫症は、俗にサナダムシと呼ばれる条虫の成虫が消化管に寄生する病気です。幼虫の寄生した生き物を、生あるいは加熱不十分な状態で食べることで感染します。条虫には多くの種類があり、牛肉から感染するもの(無鉤条虫(むこうじょうちゅう))、豚肉から感染するもの(有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう))、および魚のサケ・マスから感染するもの(広節裂頭条虫(こうせつれつとうじょうちゅう))などがあります。これらは体長が数mに及びます。
 条虫症は、原則としてヒトからヒトへ感染することはありません。まれに、ネズミやイヌ、ネコなどに寄生する小型の条虫が子どもに感染することがあります。

症状の現れ方

 多くの場合、無症状です。下痢や腹痛を起こすこともありますが、一般に肛門から長いひも状の虫体が出てきたり、便とともにちぎれた虫体が出てきたりして、初めて感染に気づきます。また、虫体が排出される際に、肛門に違和感を覚えることがあります。

検査と診断

 条虫の種類を確認することが大切です。診断は、排出された虫体を直接観察して行います。また、便には虫卵が出てくるので、虫卵を顕微鏡で観察して診断します。虫体が排出された場合は、ほかの病気と混同することはありませんが、便に出てきた紙片やひもを条虫と間違えることがあります。

治療の方法

 抗寄生虫薬のプラジカンテル(ビルトリシド)を服用する方法と、注腸造影剤のガストログラフィンを注入する方法があります。ともに副作用はほとんどありませんが、注腸造影の場合にはX線被曝に留意します。
 有鉤条虫については、嚢虫症(のうちゅうしょう)を引き起こす危険性があるため、ガストログラフィンによる治療がすすめられています。

条虫症に気づいたらどうする

 虫体が認められた場合は、排出された虫体を持参して内科を受診しましょう。
 予防として、牛肉、豚肉は生で食べずに、十分に加熱してから食べることが必要です。サケ・マスについても十分に加熱をするか、マイナス18℃で48時間以上冷凍したあとに食べるようにします。