リッサウイルス感染症<感染症>の症状の現れ方

 発症した患者さんは、狂犬病でみられるような「発熱、食欲不振、倦怠感(けんたいかん)、感染(咬傷(こうしょう))を受けた四肢の痛みやかゆみ、咽頭痛、知覚過敏」といった初期症状と、これに続く「興奮性の亢進、嚥下(えんげ)困難、発声困難、筋痙縮(きんけいしゅく)、恐水(きょうすい)症状や精神撹乱(かくらん)などの中枢神経症状」が現れます。
 病態は急性かつ進行性で、けいれんや攻撃的な神経症状が次第に強くなって持続し、四肢の弛緩(しかん)、脱力が増強して、最後には昏睡(こんすい)状態となって呼吸停止とともに死亡します。
 標準的な潜伏期間は、狂犬病ウイルスと同様に20〜90日です。オーストラリアで1998年に報告された事例では、コウモリによる咬傷を受けてから27カ月後に発症しています。

リッサウイルス感染症<感染症>の診断と治療の方法

 基本的に、狂犬病に準じます。現在、リッサウイルス感染症に対して有効な治療方法はなく、予防を目的としたワクチンや免疫グロブリンもありません。
 狂犬病ワクチンによって、オーストラリアコウモリリッサウイルスの発症予防が可能です。ラゴスコウモリウイルス、ドゥベンヘイグウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルスは、抗原性が狂犬病ウイルスに類似しており、予防効果があります。モコラウイルスの感染に対しては、狂犬病ワクチンとの交差反応がみられないため、予防効果はないと考えられています。