どんな中毒か

 カドミウムは、亜鉛(あえん)や鉛(なまり)などを精錬した際の副産物として得られる金属で、近年、広く応用されています。そのため、鉱山や廃棄物による環境汚染によって、水や農産物の汚染を引き起こします。
 過去に、富山県神通川流域においてイタイイタイ病が発生しましたが、カドミウムの長期摂取が主な原因とされています。

症状の現れ方

 経口摂取によって急性中毒が起こると、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢が現れますが、すみやかに回復します。
 一方、慢性中毒の場合は腎臓が侵されます。近位尿細管(きんいにょうさいかん)上皮細胞が障害を受け、蛋白尿、アミノ酸尿、糖尿がみられます。また、カルシウムが失われるので、骨軟化症(こつなんかしょう)も起きます。

検査と診断

 尿検査によるβ2‐ミクログロブリン(通常は近位尿細管で再吸収される)の検出が、最も早期に観察されます。
 WHO(世界保健機関)などによる「環境保健クライテリア」(国際化学物質安全性計画の活動のひとつ)によると、長期間毎日140〜260μmのカドミウム、または総量として2000mg以上のカドミウムを摂取すると、尿中低分子蛋白の増加が観察されるといわれています。

治療の方法

 経口摂取による急性中毒では、胃洗浄やEDTA(1日に1g)などのキレート薬の投与が行われます。慢性中毒に対しては、キレート療法は行えません。まず、カドミウムを含む食品や水の摂取をやめることです。

食品の規格基準

 食品衛生法では、米粒(玄米)中のカドミウム濃度は1・0ppm未満とされています。また、0・4ppm以上1・0ppm未満の米粒は、食用として流通しないように措置されています。国際食品規格で精米中のカドミウム濃度が日本が提案した0・4ppm以下と決まりましたが、日本でも同水準に改正される予定です。
 清涼飲料水やミネラルウォーター類を製造する原水の基準および水道水質基準では、カドミウムは0・01mgl以下とされています。なお、ミネラルウォーター類の原水基準は削除され、同じ基準が生分規格(製品基準)として、暫定的に設定される予定です。