トイレ・パイプ洗浄剤中毒<中毒と環境因子による病気>の症状の現れ方

 摂取後ただちに、強酸、強アルカリの刺激によって、悪心(おしん)(吐き気)・嘔吐、口腔内灼熱感(しゃくねつかん)、前胸部痛、上腹部痛が起こります。その後、口腔から食道または胃、十二指腸までの広範囲の粘膜のはれや浮腫(むくみ)、びらんなどが生じ、そこから出血することにより、吐血が起こります。この部位は潰瘍になります。
 また消化管穿孔を起こすこともあり、その場合、腹膜炎(ふくまくえん)や縦隔炎(じゅうかくえん)になって、死亡する危険があります。
 浮腫が大きい場合は、全身の体液がそこに集まるため、ショック、DIC(播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群)などが起こることもあり、やはり死亡する危険を伴います。運よく回復しても、潰瘍の修復の結果、しばしば食道や幽門(ゆうもん)の狭窄(きょうさく)などが起こります。

トイレ・パイプ洗浄剤中毒<中毒と環境因子による病気>の診断と治療の方法

 冷えた牛乳や卵白を飲ませます。無理に吐かせないのが基本です。また、水を与えることも、酸だからアルカリを与えるとか、アルカリだから酸を与えて中和するということもしてはなりません。下剤も与えません。
 胃の洗浄は、胃管チューブにより食道や胃に孔があくことがあるので、通常は行いません。ただし、あまりにも多くの洗浄剤を飲んだ場合、直後であれば行うこともあります。その場合は、チューブを慎重に挿入して洗浄剤を十分に吸い出したうえで、牛乳で洗浄します。輸液は十分に行いますが、それに加えて、抗生物質の投与などの対症療法も行うことがあります。
 穿孔がある場合は手術が必要です。咽喉頭の浮腫により呼吸困難になった場合、気管内挿管などによる気道確保が必要です。また、消化管の保護のため、数週間食事を中止し、高カロリー輸液を行うこともあります。