急性砒素中毒とはどんな病気か

  • 亜砒酸(あひさん)を経口摂取すると、体内のさまざまな組織や酵素のSH基と結合し、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状をはじめ、低血圧、脱力感、頭痛、皮膚の紅斑、結膜炎などの全身症状が起こります。
  • いったん組織に沈着した砒素は遊離しにくく、やがて慢性中毒の症状も起こします。

急性砒素中毒の原因は何か

  • 有機砒素(ゆうきひそ)に比べ、無機砒素のほうが高い毒性をもっています。
  • 無機砒素には3価と5価がありますが、3価すなわち亜砒酸のほうが毒性がより高いことが知られています。
  • 亜砒酸は薬品の材料などとして広く用いられていますが、一般においても、以前からシロアリ駆除剤などに使われ、比較的ありふれた薬品といえます。
  • 無味無臭でもあることから、昔から自殺や他殺にしばしば使われてきました。

急性砒素中毒の症状の現れ方

  • 食べ物などに溶けている状態の亜砒酸を摂取すると、数分以内に激しい嘔吐が始まり、2時間ほどして下痢も起こります。
  • それとともに血圧低下がみられます。
  • また、腹痛も多くみられます。
  • 結晶の亜砒酸を摂取した場合は、症状の発現は若干遅れます。
  • これらの症状はいずれも、少なくとも数日間続きます。
  • その他、頭痛、脱力感、運動麻痺、知覚障害、皮膚の紅斑・色素沈着、結膜炎、脱毛、顔面浮腫(むくみ)、腎不全などが生じます。
  • けいれんや精神障害がみられることもあります。
  • 重症の血圧低下や急性腎不全が起こると死亡します。

急性砒素中毒の検査と診断

  • 吐物中の砒素を蛍光(けいこう)X線分析法で調べます。
  • 腹部X線写真で胃のなかの砒素が写ることもあります。
  • 摂取後数時間で尿中の砒素が上昇し、高値は数カ月続きます。
  • 数日たつと毛髪中の砒素も上昇します。

急性砒素中毒の治療方法

  • すみやかに吐かせ、胃の洗浄を行います。
  • 下剤と活性炭の投与も行います。
  • キレート剤(金属をはさみ込んで体外に排出させやすくする薬)としては、ジメルカプロール(バル)がありますが、時期を逸すると効果が乏しくなるため、摂取後できるだけ早く投与する必要があります。
  • 輸液を十分に行い、水分と電解質の管理をします。
  • 血圧の低下に対する循環管理も重要です。
  • その他、呼吸管理、対症療法を行います。
  • 最重症では透析を行いますが、著明な効果は期待できません。

急性砒素中毒に気づいたらどうする

  • すぐに、できるだけ吐かせるようにして、救急病院に搬送してください。

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