気管支喘息<アレルギー疾患>の症状の現れ方

 喘息発作は夜間から明け方にかけて起こることが多いようです。初めはのどがつまる感じがあり、やがて喘鳴がおこり、呼吸が苦しくなってきます。呼吸困難がひどくなると、横になっていられなくなり、前かがみに座って呼吸しなければならなくなります。
 呼吸困難がしばらく続いたあと、咳や痰が出ます。咳はいわゆる空咳(からせき)で、呼吸をさらに苦しくさせます。痰は透明で粘りけが強く、なかなか吐き出しにくいものです。
 重い発作の場合は呼吸困難が激しくなり、かなり持続します。さらに重症になると、血液中の酸素が不足するため意識を失い、指先や唇が冷たく紫色になるチアノーゼ状態に陥ります。また脱水状態にもなります。重い喘息発作が24時間以上持続するのを「喘息重積状態」と呼びます。

気管支喘息<アレルギー疾患>の診断と治療の方法

 以前は、気管支平滑筋の収縮をとる気管支拡張薬が治療の主体でした。しかし、喘息が慢性の気道炎症から起こることがわかり、抗炎症作用が強く副作用の少ない吸入ステロイド薬が中心となりました。
 気道狭窄に対しては、発作寛解(かんかい)薬として、今でも気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入薬が有用です。ほかに、従来から使用されている徐放性テオフィリン薬、経口β2刺激薬、抗アレルギー薬も、吸入ステロイド薬を補助する治療薬として用いられます。
 喘息治療の目標は、副作用がない薬と量で喘息症状をなくし、運動を含めた日常生活に支障がないよう呼吸機能を正常に保つことです。急におこる喘息発作を気管支拡張薬で抑えることも大切ですが、さらに重要なのが、ふだんから吸入ステロイド薬を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善して発作を起こさないようにすることです。
 即効性のある吸入β2刺激薬と違い、吸入ステロイド薬は少なくとも数日〜1週間以上吸入しないと効果が出ません。発作のない時でも吸入ステロイド薬の治療を続けることが、発作予防につながります。
 また、喘息患者では重症になるほど息苦しさの感覚が鈍くなることが知られています。かなり気管支が狭くなっているのに、自覚症状をあまり感じないのです。
 その場合、自宅で呼吸機能を測定できるピークフローメーターが有用です。毎日測定することで、自覚症状だけではわからない呼吸機能の状態が判断でき、治療の不足や遅れを防ぐことができます。
 現在では気管支喘息の重症度は、患者さんの自覚症状と呼吸機能から決定されます(表5)。治療はこの重症度を考慮して行われます(表6)。
 たとえば、週に1回未満の喘息症状が現れるごく軽症の患者さんは、吸入β2刺激薬を発作時にのみ使用するだけでよいのですが、週1回以上発作がある場合では、少量の吸入ステロイド薬で治療します。
 さらに慢性的に症状があったり呼吸機能が低下している時は、中〜高用量の吸入ステロイド薬を使用します。これらの治療でも喘息がコントロールされない時に、徐放性テオフィリン薬、抗アレルギー薬、長時間作用型吸入または貼布β2刺激薬を使用します。最近では吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬の合剤も登場し、広く使用されています。
 どの重症度でも発作時にはβ2刺激薬の吸入薬を使いますが、それでも呼吸困難が強く横になれないような時は救急外来を受診し、ステロイド薬と気管支拡張薬の点滴や、血中の酸素濃度が低下している時は酸素の吸入を行います。すぐに発作が治まらない時は入院も必要です。