関節リウマチ<膠原病と原因不明の全身疾患>の症状の現れ方

 全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じます。朝のこわばりはリウマチ特有の症状で、起床時に手指などの関節がこわばって動かしにくく、ぎこちない感じを自覚し、温めたり動かすと数分〜数時間で消えていきます。
 こわばり感に引き続いて関節症状が現れます。関節痛は重要な症状ですが、「痛い」だけではなく、関節の腫脹(しゅちょう)(はれ)、発赤、熱感、運動時痛、関節液がたまる、などの症状を伴います。関節炎は、左右対称性に生じ、しばしば移動性で、手指、手、足、膝などの関節に生じます。
 また、微熱、食欲減退、全身倦怠感などの全身症状や、前腕伸側などの皮下結節、目や口の乾き、乾いた咳(せき)、運動時呼吸苦、甲状腺腫などの関節外臓器の症状をしばしば伴います。
 関節の炎症は、発症の早期から骨・軟骨に広がり、関節の破壊がどんどん進行すると運動が制限され、元に戻らなくなります。手や足の変形は食事や歩行などの日常生活動作を損ないます。頸椎(けいつい)関節炎は後頭部痛や手のしびれ感を、腱に炎症が波及するとバネ指(指を曲げ伸ばしする際にある角度でひっかかり、無理に屈伸しようとするとポコンと指がはねる状態)を、手関節腫脹は手根管(しゅこんかん)症候群を起こすこともあります。

関節リウマチ<膠原病と原因不明の全身疾患>の診断と治療の方法

 関節リウマチでは、関節局所や一時しのぎの治療ではなく、全身的な、長期的に計画された治療が必要です。治療の中心は薬物療法で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐことが目標です。炎症を抑える抗炎症薬と、リンパ球の活性化を抑える抗リウマチ薬の2本立てで行われます。
 抗炎症薬は、疼痛や腫脹の緩和を目標とした補助療法として使用します。シクロオキシゲナーゼII選択性があり、消化管、腎障害が比較的少ないセレコキシブ(セレコックス)やメロキシカム(モービック)を使用します。
 最強の抗炎症薬は副腎皮質ステロイド薬(プレドニンなど)ですが、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などさまざまな副作用があり、使用は避けるべきです。(1)全身症状を伴う激しい関節炎で抗リウマチ薬の効果発現までの間、(2)抗リウマチ薬が無効の症例、(3)社会的背景のため鎮痛を要する場合にのみ、短期間使用されます。
 抗リウマチ薬は、免疫異常の改善と関節炎・関節破壊の進行制御を目的とした関節リウマチの根本治療です。治療効果が明確な標準的治療薬は、メトトレキサート(リウマトレックス、メトレート)です。また、レフルノミド(アラバ)、サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN)、タクロリムス(プログラフ)も、国内外で使用されています。
 関節の破壊は発症後2年以内に急速に進行します。米国リウマチ学会の治療指針では、発症3カ月以内に抗リウマチ薬を開始し、3カ月の使用で無効ならば変更、あるいはほかの薬を併用します。発症早期からの的確な治療を行うことにより、苦しみから解放される患者さんが増えつつあります。
 標準的治療法であるリウマトレックスを、週3カプセル・3カ月以上服用しても効果が不十分な場合は、「生物学的製剤」が使用されます。私たちの体のなかにある蛋白質を使って作るバイオ医薬品です。比較的安全なうえ、病気の「主犯」をピンポイント攻撃します。主犯のサイトカインであるTNF‐α(アルファ)やIL‐6を標的とした生物学的製剤は、画期的な効果をもたらします。これらの抗サイトカイン療法は、体内で活性化されたリンパ球などを直接抑え込みます。
 関節リウマチに用いるバイオ医薬品には、TNFを標的とするインフリキシマブ(レミケード)、エタネルセプト(エンブレル)、アダリムマブ(ヒュミラ)、IL‐6を標的とするトシリズマブ(アクテムラ)があります。その他、多くの薬剤が治験(効果の検定)段階にあります。
 これらの抗サイトカイン療法は、抗リウマチ薬であるメトトレキサートと併用すると、半分近くの人は痛みもはれもなくなり、また、炎症反応などの検査成績も正常化します(「臨床的寛解」といいます)。また、関節の破壊の進行がほぼ完全に抑え込まれ、早いうちから使用すれば身体機能が回復して、普通の人と同じように日常生活が送れるまでに改善します。なお、米国では、脳卒中心筋梗塞の発症率も下がり、寿命が延びたという報告もあります。
 一方、これらの新しい治療薬にも副作用があります。しかし、これまでの膨大な報告に基づいて作成された治療指針に沿って適正に使用すれば、深刻な問題はほとんどないはずです。副作用を的確に管理することができる医師や施設で治療することが大事です。