サルコイドーシス<膠原病と原因不明の全身疾患>の症状の現れ方

 肺門という肺の中心のリンパ節が両側で腫大(はれて大きくなる)します(80〜95%)。
 無症状で健康診断時にたまたま発見される例が、全体の半数を占めます。
 眼の病気がよく起こり(40〜50%)、その多くはぶどう膜炎です。霧がかかったようにぼやけたり、視野のなかを黒い点が動いたりします。通常は両側性です。重度の視力喪失が起こることがあり注意が必要です。眼症状は女性に多い傾向があります。
 皮膚には、赤みを帯びた斑点、湿疹などが出現することがあります(10〜20%)。かゆみや痛みを伴いません。頸部(けいぶ)や腋(わき)の下、鼠径部(そけいぶ)のリンパ節がはれることがあり、これもほとんどの場合は痛みがありません。
 心病変(5〜10%)は、軽度の心電図異常だけなら心配はありませんが、実際に不整脈を自覚するようになったら注意が必要です。サルコイドーシスによる死亡の半数以上は心臓に関係するものです。
 神経系では、顔面神経麻痺と聴覚神経麻痺、また脳下垂体(のうかすいたい)という部分に病変ができると、尿崩症(にょうほうしょう)といって大量の尿が連日続くことがあります。
 また、肉芽腫によるビタミンD産生の結果、血液中のカルシウム濃度の上昇や、腎結石が起こることがあります。

サルコイドーシス<膠原病と原因不明の全身疾患>の診断と治療の方法

 患者さんの5〜10%では、病気が長期間続くことがありますが、70〜80%では発病3年以内におさまります。日本人のデータに基づくエビデンス(治療の根拠)がまとめられており、無症状なら基本的には治療はせずに、病気の経過を見守ります。ぶどう膜炎には、ステロイド薬の点眼・結膜下注射のほか、散瞳(さんどう)薬を併用します。
 一方、以下の場合にはステロイド薬を中心とした薬物療法を行います。
 (1)肺病変が進行して咳(せき)・呼吸困難などの症状が強い例、(2)心症状がある、(3)神経症状がある、(4)点眼薬で改善しない活動性眼病変、(5)顔面など美容上問題となる皮膚病変、(6)持続する高カルシウム血症または尿崩症がある例です。
 ステロイド薬の投与法は、症例により異なり一律には決められませんが、一般に初回投与量はプレドニゾロン1日15〜30mg相当で始め、1カ月以上続けます。軽快傾向がみられたら、以後は自覚症状や検査所見を参考にしながら徐々に減らしていきます。