免疫不全症候群<膠原病と原因不明の全身疾患>の症状の現れ方

 免疫系の仕組みのなかで、(1)T細胞を中心とする細胞性免疫、(2)B細胞で作られる抗体による液性免疫がともに障害を受けた重症複合型免疫不全症が、原発性免疫不全症のなかでも重症な部類に属します。
 乳児期早期から、致死的な感染が必ず起こり、また高度の易感染症による慢性下痢症や発育不良、感染を伴う皮膚の難治性湿疹性病変などが認められます。
 一方、無ガンマグロブリン血症のように抗体産生系にのみ異常があるものでは、母親からの抗体が消失する生後3〜6カ月ころから、次第に易感染性がみられるようになります。
 なお、この2つの病気では、原因菌も大きく異なります。重症複合型免疫不全症では、細菌以外にウイルス、真菌、日和見感染などが反復、重症化しますが、無ガンマグロブリン血症では細菌感染が反復、重症化します。しかし、ウイルス感染症は一般的に正常に経過します。
 一方、好中球(こうちゅうきゅう)、マクロファージなどの食細胞の異常でも細菌感染症が特徴的ですが、無ガンマグロブリン血症ではどちらかというと感染の反復が特徴的であるのに対し、食細胞異常では、細菌感染の反復とともに、重症化、難治化が特徴的です。

免疫不全症候群<膠原病と原因不明の全身疾患>の診断と治療の方法

 原発性免疫不全症の治療では、併発する感染症の治療とともに、その原因に対する治療が基本になります。無ガンマグロブリン血症では抗体の補充療法が有効ですが、生命に対する予後が不良の疾患に対する根本的治療として、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植が行われています。
 一部の疾患では遺伝子治療も試みられていますが、現在のところ安全性が問題になっています。