網膜芽細胞腫とはどんな病気か

 両眼性の網膜芽細胞腫は、平均して生後7カ月で起こります。片眼性では、平均して生後20カ月で起こります。日本人では1万5000人に1人発症し、そのうち遺伝性は40%です。松果体腫瘍(しょうかたいしゅよう)、放射線治療による二次がんとして骨肉腫(こつにくしゅ)などが起こることがあります。

網膜芽細胞腫の原因は何か

 RB遺伝子の変異です。

網膜芽細胞腫の検査と診断

 遺伝子検査で患者さんに変異の見つかる割合は70〜80%です。患者さんにとって、遺伝子検査の意義はあまりありません。孤発例(家系にはみられない)、片眼性の場合、変異が認められれば反対の眼にも発症の可能性がありますが、変異が特定されなくても遺伝性は否定できないので、反対の眼の観察を怠らないことが大切です。
 孤発例と考えられる場合でも、その親の眼底検査で自然治癒のあったことが疑われる場合があり、遺伝性かどうかの診断に参考となることがあります。発症前遺伝子診断の適切な年齢は出生1カ月以内です。
 遺伝子変異が見つかった人、あるいは家系内でリスクが高いと考えられる人については、結婚前後にキャリア診断が行われることもありますが、遺伝カウンセラーとの相談をすすめます。

治療と管理方針

 家系内でリスクが高いと考えられる人については、出産前なら妊産婦検診時の胎児眼球超音波検査でわかることがあります。生後1週間以内〜5歳まで、年に一度の眼底検査を続けます。片眼のみ発症した人の反対の眼についても同じです。

網膜芽細胞腫

眼の網膜にできるがんで、ほとんどが3歳以内に発症します。網膜は眼の奥にあり光の像を結ぶフィルムに相当するところです。ここにがんができると視力が低下しますが、赤ちゃんの場合は視力の状態がよくわかりません。網膜の白い腫瘍が光に反射して、ネコの眼のように白く光って見えることで発見されることがよくあります。 病気が進行すると眼球の外へ広がったり、視神経から脳に転移することが多く、リンパ節や骨などに転移することもあります。このがんの多くは片側の眼だけにできますが、両眼にできることもあり、両眼のものは遺伝することがわかっています。片側のもののなかにも遺伝に関係したものが一部あります。遺伝性の網膜芽細胞腫は、治療後かなりたってから他の悪性腫瘍を発生する確率が高くなります。