1型糖尿病の治療<代謝異常で起こる病気>の診断と治療の方法

 これまでに2型糖尿病の項で説明してきたように、1型糖尿病と2型糖尿病の起こる原因はまったく異なります。2型糖尿病では、過食や運動不足などの生活習慣が発症に関係しますが、1型糖尿病の場合には生活習慣は関係せず、膵β細胞の破壊によるインスリン欠乏が原因です。したがって、2型糖尿病の治療の基本は、生活習慣改善のための食事療法および運動療法ですが、1型糖尿病の場合は治療の原則はインスリンを適切に補充することです。
 日本では1型糖尿病の患者さんはかなり少なく、残念なことに診療経験が豊富な医師は多くありません。そのため、2型糖尿病の治療がそのまま適用されることも多いのですが、1型糖尿病の患者さんに対する食事制限や運動療法は、肥満や生活習慣病を招かない程度のもので十分です。過度の生活指導は有害であることが多く、患者さんに余計なストレスをもたらすことになるだけです。むしろ、患者さんがインスリン療法に習熟し、生活に合わせたインスリンの使い方ができるようにサポートすることが重要です。