単純ヘルペスウイルス脳炎(小児)<感染症>の症状の現れ方

 成人の単純ヘルペスウイルス脳炎と異なり、多くは発熱とともに急激に発症します。神経の症状としてはけいれん、意識障害、構音(こうおん)障害(言葉が出にくい)などが多いです。しかし、小児期の他の病因に比べても、単純ヘルペスウイルス脳炎に独特な症状はありません。この時「口唇ヘルペスや口内炎」を同時に起こしていることはまれです。発症年齢は6歳未満が多いですが、小児期のどの年齢層にもみられます。流行性はありません。
 しばしば再発するので、退院後も注意深く症状を見守りましょう。

単純ヘルペスウイルス脳炎(小児)<感染症>の診断と治療の方法


(1)全身状態を管理し、けいれんを止める
 まず、状態が悪くなった時、全身の管理が重要です。呼吸(酸素を十分あげること)、循環管理(ショック状態の時など)、輸液(ゆえき)・栄養管理、電解質バランスの維持などがあります。また、けいれんを起こしていることが多いので、それを止めることも大事です。そのためには、フェノバルビタール筋注、フェニトイン静注、ジアゼパム静注、ミダゾラム静注、チオペンタール静注などいろいろな抗けいれん薬が使われます。呼吸状態によっては、人工呼吸器を使うこともあります。

(2)抗ヘルペス薬
 単純ヘルペスウイルスには、インフルエンザよりもずっと早く、約25年前から有効な抗ウイルス薬(アシクロビル)が使われています。前述のように検査結果が出るのに時間がかかるので、「強く疑った段階」でアシクロビルを使いはじめ、診断がついた時点で継続か中止かを決めるのが一般的です。近年では、できるだけ大量のアシクロビル(標準量の約3倍)を早期に使うことが推奨されています。