インフルエンザ脳症<感染症>の症状の現れ方

 インフルエンザの発熱に伴い、数時間から1日以内に、(1)けいれん、(2)意味不明な言動、(3)意識障害などの神経症状が現れます(表1)。その後、次第に意識障害が進行していきます。この時、けいれんが繰り返し起こるタイプもあります。
症状が進行すると、多くの臓器の障害が出てきます。腎障害(血尿)、胃腸障害(ひどい下痢)、肝機能障害、凝固障害(ぎょうこしょうがい)(出血傾向)などです。人工呼吸器が必要になることもあります。ただ、これらは重い例で、意味不明の言動やけいれんがあるだけで意識障害は軽いことも、かなりあります。

インフルエンザ脳症<感染症>の診断と治療の方法

 2005年、厚生労働省研究班により、「インフルエンザ脳症ガイドライン」ができました。さらに2009年その「改訂版」が出され、全国に広く普及しています。基本的には、このガイドラインに基づいて治療が開始されます。
 その概要は、
(1)まず全身状態を改善すること、とくに酸素投与や、脱水、ショック状態の改善、循環動態の管理などをしっかり行います。
(2)次に、けいれんを起こしている子が多いので、これをしっかり止めることが大事です。
 この(1)、(2)の段階で、必要ならば人工呼吸管理をします。
(3)脳症の治療としては、(a)抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザなど)、(b)ステロイドパルス療法(ステロイド大量療法)、(c)ガンマグロブリン大量療法などを行い、必要なら(d)脳低温療法(34℃前後)、(e)脳圧を下げる治療、(f)血液浄化療法(交換輸血)などを選択します。
 改訂版では、そのほか最新の治療が示されています。
 「インフルエンザ脳症の手引き」や「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版」は、厚生労働省や岡山大学小児科のホームページでご覧いただけます。