外胚葉形成異常とはどんな病気か

 外胚葉は胎生期の組織で、それに由来する皮膚、毛、爪、汗腺などの皮膚付属器(ひふふぞくき)や歯など、外胚葉由来組織の少なくとも2つに先天異常がある場合、外胚葉形成不全と呼びます。

原因は何か

 男女ともに発症し、150近くの遺伝性疾患が報告されています。
 代表的な病気として、無汗と毛、歯の形成異常を特徴とする無汗性(むかんせい)外胚葉形成不全は、伴性劣性(はんせいれっせい)遺伝でX染色体に存在するEDA遺伝子の変異が原因です。爪、毛、掌蹠(しょうせき)(手の平や足の裏)の過角化、皮膚の色素沈着を特徴とする発汗性外胚葉形成不全は常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝で、HED遺伝子が原因です。

症状の現れ方

 成長とともに皮膚、毛、爪、汗腺、歯に症状が現れてきます。皮膚は炎症や感染を起こしやすく、軽度の紅斑(こうはん)や褐色(かっしょく)調の色素沈着がみられます。頭髪、体毛は薄く、疎(まばら)で、毛は脆(もろ)く、巻き毛や捩(よじ)れ毛になり、色も薄くなります。爪は分厚く脆くなり、伸びが遅く、形がゆがんだり、にごった色になります。掌蹠全体に角層肥厚が生じる場合、亀裂を生じ、出血し、疼痛(とうつう)を伴います。
 汗腺の形成不全を合併する場合、汗の産生が減少し、体温調節が困難になります。歯の異常として、欠損や形の異常、エナメル質の減少がみられます。その他、眼の乾燥、白内障(はくないしょう)、視力障害、聴覚障害、口腔、鼻粘膜分泌の低下を合併することもあります。

治療の方法

 汗腺形成不全を合併する場合、体温調節が困難なため、夏季にはうつ熱(放熱が不十分な状態となること)を起こしやすく、生活環境の温度調節が重要です。歯の異常がある場合、歯科矯正や、入れ歯、インプラントが必要になる場合もあります。脱毛に対するかつらの使用や眼科的なケアも必要になる場合があります。

外胚葉形成異常に気づいたらどうする

 小児科あるいは皮膚科専門医を受診し、この病気の可能性について適切な診断を受けることが必要です。病気の遺伝については遺伝相談外来などでカウンセリングを受け、病気に対する正しい理解をもつことが大切です。