【図解付き】筋肉のはたらき・収縮と弛緩のメカニズム

からだの各器官は筋肉の収縮・弛緩により活動しています。


  • 出典:株式会社法研「からだと病気のしくみ図鑑」
  • 監修:川上 正舒 自治医科大学名誉教授 地域医療振興協会練馬光が丘病院 院長
  •    野田 泰子 自治医科大学医学部解剖学部門 教授
  •    矢田 俊彦 自治医科大学医学部生理学講座統合生理学部門 教授

収縮と弛緩のメカニズム

細い筋原線維が集まって、一つの集合体となったものを筋線維(筋細胞)といいます。さらに、その筋線維の束の集まりが筋肉です。

筋原線維のなかには、たんぱく質の細い線維と、太い線維が対に並んでいます。骨格筋は脳からの指令を受けた運動神経のはたらきにより、互いに引き合ったり、離れたりします。この収縮と弛緩の繰り返しにより、からだや臓器を動かしているのです。

骨格筋は中枢神経、心筋・平滑筋は自律神経からの指令で動いています。

図解-骨格筋の構造

遅筋と速筋に分けられる「骨格筋」

骨格筋は自分の意思で動かせる随意筋です。

骨格筋の重量は、成人男性では体重の約3分の1を占めています。その主成分はたんぱく質で、ミオシンという太い線維と、アクチンという細い線維の2種類から成り立っています。

骨格筋には、収縮する速さにより「遅筋」と「速筋」があります。

遅筋は、酸素を運ぶ赤いたんぱく質を多く含み、からだの深層部で持続的な運動をします。

一方、速筋は、赤い色のたんぱく質が少なく、からだの表面に近い部分で、瞬発的な運動を担います。

また、2つの筋では、収縮をおこす分子(ミオシン)の種類が異なることがわかっています。

図解-遅筋と速筋に分けられる「骨格筋」

休みなく動き続ける「心筋」

心筋は、心臓を形づくり動かす筋肉です。筋線維が結びついた構造をしています。

自らの意思で動かすことはできない不随意筋であり、自律神経やホルモンによってコントロールされています。

心臓は血液の入口となる「心房」と出口の「心室」から成り立っています。心室には右心室と左心室があります。そのうち左心室の心筋は、全身に血液を送り出す役割があるため、肺に送り出す右心室の3倍の厚さがあるなど、とくに強い力に耐えられる構造になっています。

心筋が休むことなく心臓を動かすことで、私たちの生命は維持されています。こうした理由から、心筋は、全身のなかでもっとも丈夫な筋肉といえます。

図解-心臓の構造

内臓を動かす「平滑筋」

平滑筋は、心臓以外の内臓や血管の外壁となり、それらを動かすための筋肉です。短く細い紡錘形の筋線維から形成されています。

内臓の多くは内腔側から「輪走筋」、「縦走筋」の2層の平滑筋がついて、その外側を「漿膜」が覆う構造になっています。

「心筋」と同じく、私たちが自らの意思で動かすことのできない不随意筋であり、自律神経やホルモンによってコントロールされています。

図解-平滑筋の構造


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