目の奥がズキズキ痛む、でも、何科を受診したらいいのかわからない…。そんな経験はありませんか。目の痛みは、目そのものに原因がある場合と、脳など頭に原因がある場合があります。そのため、速やかな回復のためには、原因がどこにあるのかしっかり把握し、適切な医師の治療を受けることが大切です。ここでは、痛みの原因が「目にあるもの」と「脳にあるもの」の2種類を紹介します。目の痛みを感じたときの参考にしてください。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

原因が「目」にある目の痛み

目の痛みの原因が、「目にあるもの」を紹介します。これらの症状が見られる場合は、眼科医の診察を受けると良いでしょう。

1)両目に充血、かすみ、痛みが現れる。頭痛、耳鳴り、難聴なども

痛みや充血、かすみなど、目に症状が現れるだけでなく、頭痛や耳鳴りなど、風邪に似た症状が現れたら、原田病かもしれません。これは、メラニン色素細胞に対する免疫反応が高まったことが原因。日本人を含む、アジア有色人種に多く発症するとされています。特徴は、目だけでなく全身に症状が現れることで、メラニン色素の多い組織である耳、髄膜、皮膚、毛髪などにも炎症を起こします。そのため、目の充血や目の奥の痛みなどのほか、頭痛や耳鳴り、難聴、めまいが起こりやすくなり、さらに症状が進むと毛髪やまゆ毛、まつ毛などが抜けたり、白髪化になったり、皮膚に白斑が現れたりすることもあります。治療は主にステロイドを投与することによって行われますが、現在はまだ、確実に根治するための治療法が確立されていないため、治療期間が長引いたり、再発したりすることも少なくありません。

原因:原田病

治療法:薬物療法

チェック方法:目の奥の痛み、ドライアイ、かすみ目、頭痛、耳鳴り、難聴、めまい、脱毛、白髪化、皮膚の白斑

関連する病気: 原田病

2)長時間パソコン作業をしたり、本を読んだりしたあとに目の奥がズキズキする

長い時間、パソコンに向かって作業をしたり、細かい文字の本を読み続けたりしたあと、目の奥がズキズキと痛むことがあります。この痛みは、眼精疲労によるもの。いわゆる「疲れ目」の状態がひどくなったものです。疲れ目の段階では、目を閉じて休んだり、睡眠をとったりすることで目の疲れを癒すことができますが、眼精疲労の段階になると、目を休ませても疲れはなかなか回復しません。場合によっては、頭痛、肩こり、吐き気などの症状を引き起こすこともあります。それほど症状が重くないようなら、目の粘膜を保護する働きのあるビタミンAや、視神経の働きを高めるビタミンB1などが含まれた目薬をとることである程度、改善することができるでしょう。しかし、症状が長引くようなら眼科医の診断を受けることをお勧めします。

原因:眼精疲労

治療法:薬物療法

チェック方法:目の奥が痛い、目が乾く、まぶたが痙攣する、かゆみや充血がある、頭痛、吐き気、肩こり、食欲不振、イライラ、不眠、倦怠感

関連する病気: 眼精疲労

「脳」や「頭」に原因がある目の痛みとは?

気をつけたいのが、脳や頭に原因がある目の痛みです。目薬を刺すなど、一時的な対症療法では痛みの大元となる原因を解消することはできません。これらの場合は、頭痛外来や脳神経外科で診察を受けると良いでしょう。

1)突然、ズキンとする強い頭痛が数日間で繰り返す。目の奥の痛みや吐き気もある

いつもと違うタイプの頭痛が数日間のうち、何回か繰り返し、さらに、目の奥の痛みや吐き気を伴うことがあります。これは、くも膜下出血の初期症状。くも膜下出血とは、脳動脈にできたコブが破れ、脳を包むくも膜と軟膜の間に血液が広がる病気です。働き盛りの40歳代に発症するケースが多く、男性より女性に多く見られるのが特徴です。一旦、脳内で出血が起こると、ハンマーで殴られたような強烈な頭痛や吐き気が起こりますが、その前触れとして、軽い頭痛を繰り返したり、目の奥の痛みが現れたりすることがあります。こうした予兆を逃さず、脳の専門医の診察を受ければ、救命率はかなり高くなりますし、合併症を発症するリスクも減少します。こうした前兆を見逃さないようにしましょう。

原因:くも膜下出血

治療法:外科治療、薬物療法

チェック方法:頭痛、嘔吐、目の痛み

関連する病気: くも膜下出血

2)明け方に頭痛がひどくなる。目の奥の痛みもある

特に明け方になると頭痛がひどくなり、目の奥の痛みや吐き気、嘔吐などを引き起こすことがあったら、脳腫瘍かも知れません。これは文字通り、脳に発生する腫瘍の総称。初期のうちは、慢性的な頭痛や原因不明の吐き気・嘔吐、視神経の異常などが現れます。この時、目の奥に痛みが出ることも。また、手足を動かしにくくなったり、言語障害を引き起こしたりすることもあります。こうした症状が見られたら、一刻も早く脳の専門医の診察を受けましょう。脳腫瘍には良性と悪性があり、良性であれば手術で腫瘍部分を切除できれば再発することはほとんどありません。一方、悪性であれば手術の後、放射線治療や抗がん剤を使用した化学療法が行われます。

原因:脳腫瘍

治療法:外科手術、薬物療法、放射線治療

チェック方法:明け方の頭痛、吐き気、嘔吐、視神経の異常、言語障害、麻痺

関連する病気: 脳腫瘍

3)目の奥が痛い・ゴロゴロする・かゆみがある。顔の中に突然ピリッとした痛みが出た

「歯が痛くなって歯科を訪れたのに虫歯が見つからず、痛みの原因がわからない」というように、原因不明の痛みが突然、顔に現れることがあります。痛みは非常に強く、洗顔や髭剃り、歯磨き、冷たい風に当たった時など、さまざまな時に起こりますが、わずか数秒で治ります。こうした症状が見られたら、三叉神経痛かもしれません。三叉神経とは、感覚や触覚、冷熱感を脳に伝える神経であり、この神経に圧迫などが生じることで顔に痛みを起こします。目の奥が痛くなるというのも、三叉神経痛の症状のひとつ。三叉神経痛による痛みは非常に激しく、日常生活に支障をきたすこともあります。まずは脳神経外科や神経内科を受診しましょう。

原因:三叉神経痛

治療法:外科手術、薬物療法

チェック方法:鋭い顔の痛み

関連する病気: 三叉神経痛

4)目の奥がえぐられるような急激な痛みが、ある一定期間に頻発する

目の奥がえぐられるような激しい痛みが1〜2ヶ月の間、毎日現れたら群発頭痛かもしれません。痛みは1日に1〜2回現れ、1回の痛みは15分〜3時間ほど続きます。毎日同じ時間に起こることが多く、特に、明け方に痛み出すケースが多いようです。群発頭痛が発症するメカニズムはまだはっきりわかっていませんが、一般に、目の後ろを通る内頸動脈が拡張して炎症を起こすことが原因とされています。群発頭痛が疑われる場合は、早めに神経内科または脳外科の専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。また、群発頭痛はアルコールや喫煙が誘因となることも多いため、頭痛が起こっている期間は禁酒をし、喫煙も控えると良いでしょう。

原因:群発頭痛

治療法:薬物療法

チェック方法:激しい頭痛が一定期間に毎日繰り返す、目の奥の痛み、目の充血、鼻水、眼瞼下垂

関連する病気: 群発頭痛

【まとめ】

ここでは痛みの原因が目にあるのか、または、脳や頭にあるのかという視点で解説を行なってきましたが、こうした違いを正しく把握することが、スムーズな治療の第一歩です。特に、目は周辺に感覚を支配する三叉神経が走っていることもあり、痛みを感じやすいデリケートな部分です。また、うつ病などの精神疾患も首や肩の筋肉を緊張させて、頭痛や頭重、目の奥の痛みを生じさせることがあります。目の奥の痛みが感じられたらまずは眼科を受診。あるいは、脳に異常があると思われる場合は脳神経外科を受診し、MRIの検査を受けることをお勧めします。

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