「頭痛」とひとくちに言っても、原因はさまざまです。その原因によって受診するべき診療科目も異なるので、頭痛が起こったら、まずはその原因がどこにあるのか判断することが大切です。ここでは、鼻づまりなど、鼻に原因がある頭痛について考えてみます。一般的な風邪やインフルエンザも、鼻づまりから来る頭痛を引き起こしますし、重篤な症状を招く疾患はあまりありませんが、なかには放置しておくと目や脳など、鼻以外の部分に影響を引き起こすものも。安易に自己判断せず、症状に応じて適切な対処をとることが大切です。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

早めに医療機関で診察を受けた方が良い頭痛

頭痛に加えて次のような症状がみられたら、注意が必要です。鼻と脳や目はとても近い距離にあり、薄い壁で仕切られているだけなので、放置すると病気の元凶である細菌が目や脳に入り込み、影響を及ぼすこともあります。早めに医師の診察を受けましょう。

片方の鼻から膿性で悪臭のある鼻汁がでる。鼻出血がある

左右どちらかの鼻からだけ、膿性または粘性のある鼻汁が出て、かつ、鼻汁に悪臭がある場合、もしかしたら副鼻腔真菌症かもしれません。初期の症状は風邪と似ていて、はじめは鼻汁も水っぽくて無色ですが、やがて粘り気が出たり、悪臭を放ったりします。この病気の原因は、アスペルギルスなどの真菌(カビ)によって起こる、服鼻腔内の炎症。症状の特徴は、片方の鼻からだけ鼻汁がでるということで、これは、真菌感染を受けたほうの副鼻腔にだけ病巣ができるためです。悪化すると高熱、激しい頭痛、眼球突出、視力障害などを引き起こすこともあるので、早めに医療機関で診察を受けましょう。

原因:副鼻腔真菌症

治療法:薬物療法

チェック方法:片側から粘性・悪臭のある鼻汁が出る、鼻づまり、痛み、鼻出血、高熱、激しい頭痛、眼球突出、視力障害

関連する病気: 副鼻腔真菌症

緊急性はないが、症状が続く場合は耳鼻科の診察を受けた方が良いもの

次の疾患は、それほど重篤な危険を招くものではありません。実際、多くの人が病気を発症しても気づかないことが多く、軽度なら自然に治癒します。しかし、放置すると頭重感や倦怠感など、全身の症状を引き起こしたり、においがわからない嗅覚障害を招いたりすることもあるので、症状が長引くなど気になる場合は耳鼻科の診察を受けましょう。

1)片側だけ、膿性の鼻汁や鼻づまりがある

このような症状が見られる場合は、急性副鼻腔炎かもしれません。先述の副鼻腔真菌症と似たような症状ですが、急性副鼻腔炎の場合は発熱が軽微であったり、鼻出血を伴わなかったりなど、若干の違いがあります。原因は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌などの細菌。風邪などで抵抗力が落ちているときの他、飛行機に乗るなど急激な気圧の変化を受けたときに発症しやすくなります。症状が軽い場合は、鼻を噛んで鼻の中の膿を減らしたり、睡眠を十分にとって体の抵抗力をあげたりすることで、自然治癒することがほとんどです。しかし、鼻汁の量が増えたり、痛みが増したりするようなら、耳鼻科で診察を受けると良いでしょう。

原因:急性副鼻腔炎

治療法:薬物療法、外科療法

チェック方法:鼻汁、鼻づまり、目の内側・額・頭の痛み

関連する病気: 急性副鼻腔炎

2)鼻汁や鼻づまりが日常的に起こる、においがわからない

急性の副鼻腔炎が慢性化したものを、慢性副鼻腔炎と言います。症状や原因は急性副鼻腔炎と同様ですが、鼻汁や鼻づまりが常に起こり、「においがわからない」など、日常生活に支障をきたすこともあります。症状が風邪やアレルギー性鼻炎に似ているため、そのまま放置するケースも多いのですが、鼻汁が3ヶ月以上継続したり、強い鼻閉感を感じたりする場合は、耳鼻科で診察を受けることをお勧めします。なかには通常の慢性副鼻腔炎のほか、気管支喘息を伴った難治性のもあり、この場合はまず内科で気管支喘息の治療を行なった後に、耳鼻科で慢性副鼻腔炎の治療を行う必要があります。

原因:慢性副鼻腔炎

治療法:薬物療法、外科療法

チェック方法:日常的な鼻汁・鼻づまり、頭痛

関連する病気: 慢性副鼻腔炎

3)一年中、鼻づまりと頭痛がする。透明のさらっとした鼻水がでる

頭痛に加えて、発作的で連発するくしゃみや鼻づまりが通年、現れたり、さらっとした鼻水が止まらなかったりする場合は、アレルギー性鼻炎かもしれません。アレルギー性鼻炎の主な原因は、抗原抗体反応によるもの。つまり、アレルゲン(抗原)が鼻の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られ、肥満細胞とくっつきます。その後、再びアレルゲンが体内に侵入すると、肥満細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、鼻づまりやくしゃみなどの症状が現れるのです。アレルギー性鼻炎は通常、通年起こりますが、花粉の飛ぶ時期などに現れる「花粉症」など季節性のものもあります。アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、まず、耳鼻科で診察を受け、どんな物質に対してアレルギー反応が起きるのか、検査してもらうことが必要。その結果に応じて適切な治療法を選択しましょう。

原因:アレルギー性鼻炎

治療法:薬物療法、ネブライザー、舌下減感作療法、外科手術

チェック方法:通年(あるいは一定時期の)くしゃみ、鼻水、鼻づまり、頭痛

関連する病気: アレルギー性鼻炎

【まとめ】

鼻づまりなど鼻のトラブルは、頭痛や頭重感などを引き起こしやすいものです。初期は風邪と症状が似ているので、そのまま放置する人が大半ですが、あまりに頭痛や頭重感が続く場合は、注意散漫など日常生活に影響を及ぼしますので、耳鼻科で診察を受けると良いでしょう。また、日頃でも「食塩水で鼻うがいをする」「細菌に感染しないよう、免疫力を高める」「栄養バランスの良い食事をとる」などに気をつけると、感染予防に効果を期待できるでしょう。

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