日常的に、ふとした瞬間に起こるめまい。頻繁に起こるので、「あまり意識をしていない」という人も多いのではないでしょうか。
でも、めまいは病気の前触れとして起こる場合もあり、治療を早く行った方が良いときもあります。特に気をつけたいのが、ストレスに起因するめまい。
めまいの症状を改善するために、耳鼻科などで治療を受けても、ストレスそのものを解消しなくては、根本的な解決に繋がりません。
まずは、何が原因となってめまいが起こっているのか、しっかりと把握し、それに応じて適切な対処をすることが大切です。ここでは、主にストレスに起因するめまいについて、見てみましょう。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

めまいのタイプ、あなたはどれに当てはまりますか

「めまい」は大きく分けて、3種類に分類されます。めまいが起こったら、具体的にどんな感覚がするのか、冷静に判断してみましょう。

1)「グルグル」する回転性めまい

目の前や自分自身がグルグル回っているように感じられるめまい。
主に、平衡感覚を司る三半規管に原因があるとされていますが、脳が原因になって起こることもあります。

2)「フワフワ」する浮動性めまい

浮動性、あるいは、動揺性とも呼ばれるこのタイプは、フワフワした感じがするのが特徴です。「フワフワした感じがして、まっすぐ歩けない」「雲の上を歩いているようなふらつきを起こす」という感覚が特徴。多くの場合、脳に原因があるとされます。

3)目の前が「真っ暗」になるめまい

頭からスーッと血の気が引いて、目の前が真っ暗になるような感じがするめまい。いわゆる「立ちくらみ」の現象で、座った状態からいきなり立ち上がったときなどに起こります。脳に十分な血液が送られないことが原因で、ひどいと失神することもあります。

回転性のめまいがしたら…?

めまいのタイプがわかると、原因を突き止めやすくなります。まずは、ストレスに起因する病気のうち、回転性のめまいを引き起こす主なものと、それらの対処法を確認してみましょう。

1)耳鳴りや難聴も併発している

メニエール病とは、三半規管にリンパ液が過剰に溜まることによって、聴覚や平衡感覚に異常を引き起こす病気です。多くの場合、メニエール病の原因となるのは自律神経失調症によるホルモンバランスの崩れや、抵抗力低下によるウイルス感染、血行不良。ストレスが重なって睡眠不足が続いたり、心労や過労が重なったりすることでも起こります。そのためしっかり休養をとり、体力を十分に回復させることが大切です。

原因:メニエール病

治療法:休養を十分にとり、免疫力を強化。薬物療法

チェック方法:回転性のめまいのほか、耳鳴りや難聴も併発

関連する病気: メニエール病突発性難聴

2)耳鳴りや難聴はなく、めまいだけ頻繁に起こる

前述の「メニエール病」も自律神経の乱れによって起こる病気ですが、メニエール病は、めまいのほかに耳鳴りと難聴を併発して、初めて診断がつく病気です。メニエール病とは異なり、耳鳴りや難聴を伴わずに回転性のめまいが起こる場合は、自律神経失調症によるめまいであることが疑われます。
これはストレスにより自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位になったことが原因。そうすると血管や筋肉が収縮して全身の血流が悪くなり、三半規管への血流が低下してしまうのです。

原因:自律神経失調症

治療法:休養、ストレッチによる血行改善

チェック方法:回転性のめまい、ふらつきや耳鳴りを伴うこともある

関連する病気: 自律神経失調症

3)耳鳴りや難聴はなく、激しいめまいが数日〜1週間程度続く

激しい回転性のめまいが急激に起こり、それが数日〜1週間程度続くなら、前庭しんけいえんかもしれません。明らかな原因はわかっていませんが、風邪やウイルス感染などの後に発症するケースが多いことから、感染症との関係性が考えられています。悪心や嘔吐を伴うことがありますが、耳の聞こえには影響がないのが特徴。症状が数日続いたあと、徐々にめまいは軽くなりますが、立ち上がった時にふらついたり、歩行時にフラフラしたりすることは長期間に渡って続くこともありますので、早めに医師の診断を受けた方が良いでしょう。

原因:前庭神経炎

治療法:薬物療法、休養

チェック方法:激しい回転性のめまいが数日続く、悪心、嘔吐

関連する病気: 前庭神経炎

4)頭を動かした時だけ、軽いめまいが起こる

急に頭を上に向けたり、勢いよく振り向いたり、頭を動かした時だけに回転性のめまいが起こるのは、良性発作性頭位変換性めまいかもしれません。これは多くの人に見られる症状で、過去に交通事故で頭に外傷を受けたことのある人や、内耳に障害を負った経験のある人、慢性中耳炎のある人などに見られます。めまいは一過性のものであり、短時間で治るため、それほど心配はいりません。治療法としては、めまいが起こる姿勢をあえて繰り返すことで頭を動かしてもめまいを起きないようにする運動療法もありますが、三半規管に耳石が入り込んでいる場合は耳石の除去が必要になるため、気になるようなら一度、医師の診断を受けても良いでしょう。

原因:良性発作性頭位変換性めまい

治療法:理学療法、運動療法、薬物療法

チェック方法:頭を動かした時に軽い頭痛が起こる

関連する病気: 良性発作性頭位変換性めまい

5)突然、全身の痙攣やふるえなどとともに回転性のめまいが起こる。そのような発作が1~数分間続く

全身がふるえ出したり、引きつったりするとともに回転性のめまいが生じたら、てんかんかもしれません。てんかんの原因にはさまざまなものがあり、生まれたときの仮死状態や低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷などのほか、原因不明によるものもあります。脳の異常によって起こっているてんかんでは、脳のどこに異常が発生しているかによって、発作の現れ方も異なります。つまり、大脳全体に異常が出ている場合は、全身の痙攣を起こした発症率は100人に一人とも言われています。いつ発作が起きるかわからないため、場合によっては命の危険に及ぶこともありますが、ほとんどの場合、薬で症状を抑えることができます。まずは医師の診断を受け、脳波を測定すると良いでしょう。

原因:てんかん

治療法:薬物療法

チェック方法:意識喪失、全身(または一部)の痙攣や硬直、めまい

関連する病気: てんかん

浮動性のめまいがしたら…?

続いて、ふわふわした感じがする浮動性のめまいについても、同様に見てみましょう。

1)全身の倦怠感や食欲不振なども起こっている

ストレス過剰でうつ病となり、脳の負担が大きくなると、浮動性めまいを起こしやすくなります。特徴は、全身の倦怠感や食欲不振なども、同時に起こっていること。しかし、ストレスによるめまいは原因を突き止めにくく、また、常時何らかの薬を服用している場合、薬の副作用で浮動性めまいを起こすこともあります。頻繁に「ふわふわしためまいが起こる」という場合は、早めに心療内科などを受診すると良いでしょう。

原因:うつ病

治療法:休養、カウンセリング、薬物療法

チェック方法:全身の倦怠感、食欲不振、耳鳴り、頭痛、不眠

関連する病気: うつ病

2)血圧が高い

血圧が平常値より高くなることを高血圧と呼びますが、実は、高血圧にはストレスが大きく関与していることが多いのです。そして、高血圧の状態が続くと、浮動性のふわふわしためまいが起こります。なぜなら高血圧の場合、血圧の変化の幅が非常に大きく、脳に血液が行きにくくなるため、浮動性めまいを引き起こしやすいのです。また、日頃から血圧を下げる薬を服用している場合、薬の副作用としてめまいを引き起こすことも多いようです。

原因:高血圧

治療法:薬物療法、食事療法、運動療法

チェック方法:頭痛、耳鳴り、肩こり、動機、息切れ

関連する病気: 高血圧

めまいに悩む人に。オススメのストレス解消法

めまいを引き起こしている場合、それぞれの病気にふさわしい対処を迅速に行うことが大切です。特に、「サイレントキラー」と呼ばれる高血圧の場合、自覚症状が乏しいため、気づいたらかなり進行していたということも多いのですが、めまいは数少ない自覚症状のひとつ。こうした症状を見逃さず、適切な医療機関で診断を受けましょう。
同時に、ストレスに起因するめまいの場合は、大元の原因であるストレスを取り除く努力をすることも大切です。一般に、ストレスを解消するには3つの「R」が役立つと言われています。

1)Rest(休養)
…疲れが溜まっているなと感じたら、積極的に休養を取りましょう。

意識的に休息の時間を増やしたり、睡眠時間を多めにとったり、体と心をしっかり休める時間を設けることが、心身のリカバリーに大切です。仕事の合間には、1時間に1度程度休息したり、適度なタイミングでコーヒーブレイクを入れたりするといいでしょう。

2)Recreation(娯楽的な楽しみ)
…どんな趣味でもいいので、余暇を楽しむ手段を見つけましょう。

どんな趣味でもいいので、余暇を楽しむ手段を見つけておくことは、息抜きの場として有効です。趣味を通してひとと出会い、交友関係が広がることも、ストレス解消に繋がるはず。これまで知らなかった世界に触れて視野が拡大することも、人生のモチベーションを高め、ポジティブに生きることに役立ちます。

3)Relax(リラクゼーション)
…心からリラックスできることを生活に取り入れましょう。

ストレスがかかっていると呼吸が浅くなり、交感神経が優勢になりがち。しかし、お腹の底から息を吸ったり吐いたりすることは、副交感神経を優位にし、リラックス効果があります。また、休日には森林浴をするのもオススメ。木が発散している「フィトンチッド」という物質には、人間のストレスを下げる働きが認められています。そのため森林浴をすると、「血圧が下がる」「免疫力が改善する」「癒された感じがする」など、さまざまな効果を感じることができるでしょう。

【まとめ】

このように、心理的なストレスに起因するめまいには、さまざまなものがあります。もちろん、心理的なストレスではなく、身体的な疾患によるめまいの可能性もありますので、めまいが気になるなら、早めの受診がおすすめ。めまいを感じたら、まずは耳鼻科を訪ねると良いでしょう。しかし、脳から起こる「浮動性めまい」の兆候が特に強く、合わせて体に麻痺が起こっていたり、ろれつが回らなかったり、激しい頭痛がしたりするときは、脳卒中や脳出血、脳腫瘍など、脳の疾患が原因となっている場合もあります。その場合は、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。

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