尿の色について

尿は腎臓(じんぞう)でつくられています。腎臓に入ってきた血液を濾過(ろか)し、体に不要な老廃物を水といっしょに「尿」として排泄しています。しかし、何らかの原因で体に異常が起こると、尿の性状(色やにおいなど)や尿の量が変化したり、排泄のメカニズムに支障が起こることがあります。腎臓は肝臓と同様、沈黙の臓器と呼ばれ、なかなか症状を表に現しません。それだけに早期発見が重要となり、日々、尿の性状や量を観察し、排尿に異常がないかなどに気を配っておきたいものです。

正常な尿の色は淡黄色から黄褐色です。といっても、尿の色は摂取した水分の量や季節、運動、薬の服用などによっても変化しますので、色が変わったからといって即、異常とはいえません。反対に、見ためには正常に思えても何らかの異常が進行している場合もあります。

眼に見えない尿の異常については、年に1、2回定期的に健康診断を受け、尿中に蛋白や赤血球、白血球などが漏れ出ていないかを調べることが大切です。加えて、見える色の変化に対しての観察を怠らないようにしましょう。

尿・尿の色から考えられる主な病気

赤色~赤褐色(血尿)

尿が赤色〜赤褐色なら、赤血球が尿のなかに混在していると考えられます。いわゆる血尿で、目で見てわかる血尿を肉眼的血尿、見えない血尿を顕微鏡的血尿といいます。血尿は腎臓や尿管、膀胱ぼう/こうの病気などで起こります。

ほかに何の症状もなく、腎臓などに異常のない原因不明の血尿を特発性腎出血といい、20〜30代の比較的若い人に起こります。急に真っ赤な尿が数時間から、時には数日間続くこともあります。

一方、ほかに症状がないからといって安心はできません。腎がんや膀胱がんなどのがんや腫瘍しゅ/ようは、早期の頃では血尿が唯一の症状の場合も少なくなく、また1、2回の血尿で自然消滅することもよくあるため、つい軽視してしまいがちです。早期に発見するためには、血尿が1回でも出たら病院で検査を受けることが大切です。

気になる症状 疑われる病気名
むくみ、高血圧
乏尿
多尿、全身倦怠感、疲れやすい
腹部・腰部・背部痛
発熱
寒気、ふるえ、頻尿
頭痛、吐き気
腹部腫瘤、体重減少
立位で痛みが増強、排尿障害
吐き気、嘔吐
冷や汗、不安感
頻尿、排尿痛、残尿感など排尿障害
下腹部痛
その他

黄褐色~茶褐色

尿が黄色くなることは別に病気でなくてもしばしば経験することですが、黄疸おう/だんが起こると色が濃くなり、黄褐色から茶褐色になり、肝臓や胆管の病気などで起こります。

そのほか、色だけでなくにごりやにおいなども観察を。尿がにごっているなら腎臓や膀胱の病気、尿にうみのようなものが混じっていれば淋病りん/びょう、尿道炎など、尿が甘ずっぱくにおうようなら糖尿病の可能性があります。

気になる症状 疑われる病気名
黄疸
右上腹部痛
発熱
かぜ様症状
意識障害
吐き気、嘔吐、手掌紅斑、クモ状血管腫、女性化乳房
腹部の張り・しこり

ワイン・コーラ色

気になる症状 疑われる病気名
皮膚の露光部の紅斑・はれ・水疱、手指の皮膚の萎縮・拘縮
動悸・息切れなど貧血症状
黄疸
起床時の尿がコーラ色

その他

疑われる病気名
  • そのほか、薬によって尿に色の出るものもいろいろあります。服用前に「説明書」をよく読んでください。