排尿の異常について

尿は腎臓(じんぞう)でつくられています。腎臓に入ってきた血液を濾過(ろか)し、体に不要な老廃物を水といっしょに「尿」として排泄しています。しかし、何らかの原因で体に異常が起こると、尿の性状(色やにおいなど)や尿の量が変化したり、排泄のメカニズムに支障が起こることがあります。腎臓は肝臓と同様、沈黙の臓器と呼ばれ、なかなか症状を表に現しません。それだけに早期発見が重要となり、日々、尿の性状や量を観察し、排尿に異常がないかなどに気を配っておきたいものです。

排尿の異常には、排尿回数の異常、尿線の異常、排尿困難、尿閉、残尿感、排

尿痛、尿失禁などがあります。

一般的な排尿の回数は、個人差はありますが1日に日中5〜6回、夜間0〜1回くらいです。排尿回数が多い場合を頻尿ひん/にょう、少ない場合を稀尿き/にょうといいます。通常、1日に日中8回以上排尿がある場合を頻尿、寝ている間に排尿のために1回以上起きる場合を夜間頻尿と呼んでいます。

尿線異常とは、尿線が細い・尿を放出する力が弱く勢いがない・尿が途中で止まってしまうことです。

排尿困難とは、排尿開始までに、あるいは排尿終了までに時間がかかる場合を指します。

尿閉とは、尿道の閉塞などで尿を排泄できない状態です。

残尿感とは、排尿が終わったあともさっぱりせずに尿が残っているような状態です。

排尿をする時・している時・し終わった直後に痛みがあるのを排尿痛と呼んでいます。

尿失禁とは、排尿する気がないのに尿が漏れてしまう状態です。

いずれもそのほとんどが膀胱や尿道、前立腺などの異常で起こり、かつ症状は重複して現れます。たとえば、男性だけに起こる前立腺肥大症は通常、以下のように症状が現れてきます。

①第1病期(膀胱刺激期)……夜間の2回を超える頻尿、尿意を感じると我慢ができない尿意切迫感、排尿開始・排尿終了までに時間がかかる排尿困難、尿腺が細い尿線異常などが出現。

②第2病期(残尿発生期)……排尿困難の程度が増すことによる残尿の出現。

③第3病期(完全尿閉期)……尿が排泄できなくなる尿閉、尿が絶えずもれ出てしまう尿失禁の出現。

第3病期になると、腎臓からの尿の流れも妨げられて腎機能障害が起こってきます。したがって、できるだけ早期のうちに泌尿器科を受診することが大切です。

近年、新しく登場した診断名に過活動膀胱があります。これは、尿意切迫感があり、通常、頻尿と夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴う場合と伴わない場合がある状態です。日本では、約810万人もの人が過活動膀胱と推定されています。

排尿障害から考えられる主な病気

尿線異常

気になる症状 疑われる病気名
尿線異常

尿失禁

気になる症状 疑われる病気名
尿失禁