何も心当たりはないのに、突然起こる手のかゆみ。一口に「手のかゆみ」と言っても原因はさまざまです。手だけに症状が現れるものもあれば、他の部位にも同様のかゆみが見られることもあるでしょう。そんな時は、「いつ」「どう言った環境で」かゆみが起こったり、ひどくなったりするのか、冷静に観察すること。そして、皮膚科を受診してその内容を正確に伝えましょう。同時に、自分で日頃から手のかゆみを悪化させないよう、ケアすることも大切。ここでは自分でできる正しいケア方法を紹介します。
生月 弓子先生(ミッドタウンクリニック)
信州大学医学部 卒業
東京大学 大学院 卒業
医学博士 日本産科婦人科学会 認定医
婦人科(子宮、卵巣)癌検診、健康相談、また避妊、低用量ピル、緊急避妊ピル、月経調節、月経困難症、過多月経、月経異常、不正性器出血、月経前症候 群、子宮筋腫、子宮内膜症、婦人科腫瘍、更年期症状、掻痒感、性感染症、不妊、妊娠などの一般産婦人科診療、セカンドオピニオンも行っている。

手のかゆみの原因。考えられる病気とは?

手のかゆみを引き起こす病気としては、どのようなものが考えられるのでしょう。よく見られる病気を挙げてみます。

(1)手湿疹

手のひらや指が赤みを帯びてカサカサに乾燥したり、小さな水ぶくれや湿疹ができたり、そんな症状はありませんか。手湿疹とは、いわゆる「手荒れ」の状態。洗剤などによる化学的刺激や、摩擦による物理的刺激などが原因となって起こります。重症になると、炎症やひび割れ、強いかゆみなどを引き起こすこともあります。症状によって2つのタイプがあります。

1、乾燥型
皮膚がカサカサして、ひび割れを起こすタイプを「乾燥型」と言います。指紋が読めなくなったり、皮膚が硬くなったりするのがこのタイプです。冬に多く発生。

2、湿潤型
手の指、手の平、手の甲など広範囲に紅斑、丘疹、水疱を生じます。かゆみも伴うこともあります。夏に多く発生。

原因:皮脂の不足
チェック法:手のひらや指の赤み、乾燥、水ぶくれ、ひび割れ、かゆみ
治療法:薬物療法

関連する病気: 手湿疹

(2)手白癬

手にできる水虫のこと。手のひらの皮膚が厚くなり、角層がフケのように剥がれかかる「鱗屑」の症状がみられます。多くの場合、手白癬は足白癬から感染することが多く、足白癬の患者が使用した風呂場やトイレの足拭きマットに直接、手で触れることによっても感染します。かゆみはあってもそれほど強くなく、抗真菌薬の使用で治療します。

原因:白癬菌感染
チェック法:カサカサに乾燥、皮膚の肥厚化
治療法:薬物療法

関連する病気: 手白癬

(3)汗疱

指の腹や手のひらなどに、小さな水疱が現れたら、汗疱かも知れません。汗をかきやすい春から夏にかけて発症するケースが多く、手だけでなく、足の指や足の裏などにも起こります。初めは痛がゆく、水疱が互いに合わさって大きくなり、ジュクジュクとすることも。その後、皮膚の表面がフケのように剥がれ落ちてガサガサになります。1ヵ月程度で自然軽快しますが、繰り返すケースも目立ちます。

原因:金属や食べ物に対するアレルギー、喫煙、ストレス、自律神経失調症、ビオチン欠乏症
チェック法:指の腹や手のひらなどの水疱、銀鱗
治療法:自然治癒、薬物療法

関連する病気: 汗疱

(4)掌蹠膿疱症

手湿疹と似た症状を起こすものに、掌蹠膿疱症があります。これは手のひらや手首に近い部分に紅斑や小水疱、膿疱などを起こすもの。手だけでなく、足の裏の土踏まずやかかとの外側などにも起こります。細菌感染や金属アレルギーが原因とされており、また、喫煙者に多く発症するとされています。

原因:細菌感染、金属アレルギー
チェック方法:手のひらや足裏に無菌性の膿疱ができる
治療法:薬物療法

関連する病気: 掌蹠膿疱症

自分でできる、手のかゆみのセルフケア

このように、手のかゆみを引き起こす病気にはさまざまなものがあります。かゆみがひどい場合や、繰り返す場合は医療機関で診断を受ける必要がありますが、同時に、自分でもできるケアがあります。ここでは、簡単に行えるセルフケアを紹介します。

(1)入念に保湿する

皮膚は乾燥に弱く、皮膚のバリア機能が衰えると少しの刺激でも肌荒れを起こしてしまいます。そのため、特に水仕事をした後などは保湿クリームをしっかり塗り込んで、肌を乾燥から守りましょう。ヒアルロン酸やワセリンなどの成分が配合されているものは、保湿効果が高くてお勧めです。

(2)手の洗いすぎやハンドソープの使いすぎはNG

インフルエンザなどの感染を予防するため、ハンドソープなどを使ってしっかり手洗いすることは確かに必要です。しかし、ゴシゴシ洗いすぎると皮膚の皮脂が必要以上に取り除かれ、乾燥がますます悪化してしまいます。潤い成分を含んだものや肌に優しい低刺激性のものを使うようにしましょう。また、手を洗ったあとはすぐにタオルで水気を拭き取ることも大切です。

(3)手のマッサージで血行促進

冬など気温が低くなると、手の血行が悪くなります。その結果、肌細胞に十分な栄養素が行き届かなくなり、肌荒れをさらに悪化させることも。肌をしっかり保湿するとともに、手のひらや手の甲、指先を揉んだりさすったりして、血行を促進すると、手荒れをケアすることができます。

(4)水仕事は33〜35度のぬるま湯で

冷たい水で洗い物などの水仕事をすると、手荒れやひび割れ、あかぎれなどの原因になってしまいます。反対に、熱いお湯を使っても、肌に過度な刺激を与えることも。できるだけ33〜35度程度のぬるま湯を使うと良いでしょう。また、ゴム手袋を使うことで肌荒れを防ぐことができますが、気をつけなければならないのは、ゴムアレルギーがある場合。手袋の素材であるゴムにかぶれてしまい、肌荒れが悪化することもあるので、その場合は最初に木綿の手袋をはめてからゴム手袋をつけるなど、対策が必要です。

(5)シャンプーは低刺激性のものを選ぶ

1〜2日に1回は使用するシャンプーの成分にもこだわりましょう。購入するときは、低刺激性のものを選ぶことをお勧めします。特に、成分に「ラウリル硫酸Na」「オレフィンスルホン酸Na」「ラウレス 硫酸Na」と書かれているものは、洗浄力が非常に高く、肌に対する刺激が強すぎることも。手荒れなどを起こしている場合は、避けた方が良いかもしれません。

そのほか、「ストレスを溜めない」「栄養バランスのいい食事を心がける」など、規則正しく健康的な生活習慣も、手荒れを悪化させないために必要なこと。ストレスが溜まると免疫機能が落ち、内臓にトラブルが生じて、その結果、皮膚に湿疹などの症状を引き起こすことがあります。また、栄養バランスが偏っても免疫機能が低下し、肌がほこりや花粉などに対して過剰に反応するようになり、かゆみを 感じることがあります。手荒れに悩む場合は日頃の習慣を見直して、できることから改善するよう心がけましょう。

【まとめ】

かゆみや湿疹、水疱などがひどい場合は、我慢せず、早めに皮膚科で診察を受けることがお勧め。症状によって、ステロイド外用薬やかゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗菌薬などを処方されることが多く、症状が改善されれば、服用をストップしたり、薬の量を減らしたりすることができます。ステロイド外用薬というと、「副作用が怖い」と感じる人もいるかもしれませんが、正しい用法をきちんと守れば怖いことはありません。医師の指示に従い、正しく使用するとともに、自分でできるセルフケアもきっちり行う。そのように二つの面からしっかりフォローして、手のトラブルを防ぎましょう。

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