視力低下/見え方の異常について

ものを見る時、光は角膜と前房(ぜんぼう)を通って瞳孔(どうこう)から眼球内に入り、角膜や水晶体(レンズ)で屈折されたあと、硝子体(しょうしたい)を通って眼底の網膜に達し、網膜で光が感じとられます。感じとられた光刺激は視神経を通って脳に伝えられ、「見える」ことになります。この経路のどの部分でも異常が起これば、さまざまな症状が現れてきます。

眼の「見え方の異常」にはさまざまなものがあり、眼科独特の名前がついている症状が少なくありません。主なものをみていきましょう。

視力低下/見え方の異常から考えられる主な病気

視力の低下・異常

視力低下

視力が低下して、見えにくくなる症状です。

視野異常

これには、大きく分けて以下の3つがあります。

・視野狭窄きょう/さく

視野が狭くなる症状で、視野の全体が狭くなる求心狭窄と、視野の一部分が不規則な形で狭くなる不規則狭窄とがあります。

半盲はん/もう

視野の右半分あるいは左半分が欠けて(欠損)見えなくなる症状です。半盲には同名半盲と異名半盲があり、以下のような視野欠損が起こります。

〈同名半盲〉

・左側半盲……両眼のそれぞれ左側が欠損します。

・右側半盲……両眼のそれぞれ右側が欠損します。

〈異名半盲〉

・耳側半盲……両眼のそれぞれ耳側(右眼は右、左眼は左)が欠損します。

・鼻側半盲……両眼のそれぞれ鼻側(右眼は左、左眼は右)が欠損します。

そのほか、視野の上半分または下半分が欠損する場合を水平半盲といいます。

・暗点

視野のなかに見えない・見えにくい部分がある症状です。中心部が見えない・見えにくい場合を中心暗点といいます。

複視ふく/し

ひとつしかないものが二重に見える症状です。片眼で見るとひとつに見えるのに両眼で見ると二重に見える場合を両眼複視、片目で見ても二重に見える場合を片眼複視といいます。

飛蚊症ひ/ぶん/しょう

蚊のような・糸くずのような黒い小さなものが目の前をふわふわと飛んでいるように見える状態です。墨を流したように見えることもあります。明るいところや白っぽい壁などを見た時によく現れます。

光視症

光源がないのに、稲妻が走っているようなピカピカしたものが視野の一部に見える症状です。

変視症

ものがゆがんで見える症状です。

大視症

ものが大きく見える症状です。

小視症

ものが小さく見える症状です。

虹視症

光のまわりに虹がかかったように見える症状です。

夜盲症や/もう/しょう

暗いところで、ものがよく見えない症状です。

昼盲症ちゅう/もう/しょう

明るいところで、ものがよく見えない症状です。

このような「見え方の異常」は、眼の病気だけでなく脳神経などさまざまな病気で起こります。例えば、同名半盲は脳梗塞や脳出血の重要な症状のひとつです。異常を感じたら、その原因を調べてもらうようにしましょう。

気になる症状 疑われる病気名
眼を動かすと眼の奥が痛む、中心暗点
視野全体が暗くなる
水平半盲
視野狭窄、中心暗点、半盲性障害
飛蚊症
かすむ、まぶしい
ゆがみ
まぶしい、角膜混濁
角膜表面に水疱、眼痛
かすむ、二重三重に見える、まぶしい
視力の低下・異常

見え方の異常

気になる症状 疑われる病気名
飛蚊症
視力低下
霧視
充血、眼痛
視野欠損
かすむ、咳、息切れ、皮膚の発疹
霧視、光視症
  • 後部硝子体剥離
中心暗点
変視症、小視症
視力低下
黄色く見える
視野欠損、視力低下
視力低下、まぶしい、後天性色覚異常
複視
眼球突出
まぶたのはれ、痛み
充血
暑がり、汗かき、食欲亢進、動悸
眼の奥の痛み、眼瞼下垂、眼筋麻痺
意識障害、片麻痺、感覚障害、言語障害、同名半盲
多くは数分で治まる片麻痺・感覚障害・めまい
変視症
物が吸い込まれるように見える変視症、視力低下
物が波打って見える変視症、視力低下、霧視
視野欠損
てんかん、麻痺、感覚障害
頭痛、吐き気、嘔吐
両眼の耳側視野の狭窄・欠損、月経異常、インポテンツ
夜盲、視野欠損、視力低下、まぶしい
同名半盲、失語症、意識障害、頭痛、嘔吐、片麻痺、めまい