発達障害とは、どのような障害なのか?-発達障害の子どもの特徴


  • 出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
  • 著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

 一般的に発達障害というと、自閉症や学習障害(以下、LDと略)、注意欠陥多動性(ちゅう い けっ かん た どう せい)障害(以下、ADHDと略)を指します。それらに高機能自閉症(こう き のう じ へい しょう)やアスペルガー症候群を含めたものは現在、広汎性(こう はん せい)発達障害と呼ばれています。広汎性とは、障害のあらわれが幅広いことをあらわす言葉です。

 自閉症を除いた広汎性発達障害と自閉症との違いは、知的障害があるかないかです。そのなかで、高機能自閉症は知的障害を伴わない自閉症を指し、アスペルガー症候群は知的障害と言葉の問題がないものを指しています。ただし病院では、この高機能自閉症とアスペルガー症候群の両者を明確に区別して治療を行うことはほとんどありません。またアスペルガー「障害」という場合とアスペルガー「症候群」という場合がありますが、両者は同じです。

 広汎性発達障害を「自閉症スペクトラム」と呼ぶこともあります。スペクトラムとは、境目(さかい め)なく一続きであることを指しています。症状を色のグラデーションでたとえると、自閉症は濃いめの色で、高機能自閉症・アスペルガー症候群は薄めの色といったイメージをもっていただくとわかりやすいでしょう。つまり、広汎性発達障害と自閉症スペクトラムは別々の疾患を指しているのではなく、見方による呼び方の違いなのです。

 今後、国際的にアスペルガー症候群や高機能自閉症といった疾患名は姿を消し、自閉症スペクトラム障害という表記に一本化される見込みです。先ほど説明したように、自閉症スペクトラムとは自閉症の一続きの症状の呼び方ですから、アスペルガー症候群・高機能自閉症も含んでいます。

 ちなみに本書では、アスペルガー症候群・高機能自閉症を中心とした広汎性発達障害の子どもについて触れていくので、「広汎性発達障害」または「発達障害」という呼び方を使い、また特性をわかりやすく説明するために、従来の分類名も使用していきます。

 ●発達障害の定義 平成17年施行の発達障害者支援法で「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義。 ●自閉症 多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害。「周囲との交流困難」「言語の遅れ」「限定的な興味や動作の反復性」が特徴で、3歳くらいまでに発現する。 ●LD(Learning Disorders,Learning Disabilities) 学習障害の略。知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用がとても困難な状態。 ●ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder) 注意欠陥多動性障害の略。動き回り、じっとしていられない、ボーッとしていて話を聞けない、すぐに気が散る、待つのが苦手、整理整頓ができず忘れ物が多いなどのあらわれが特徴。不注意、多動性、衝動性が代表的な症状。



●発達障害の定義

平成17年施行の発達障害者支援法で「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義。

●自閉症

多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害。「周囲との交流困難」「言語の遅れ」「限定的な興味や動作の反復性」が特徴で、3歳くらいまでに発現する。

●LD(Learning Disorders,Learning Disabilities)

学習障害の略。知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用がとても困難な状態。

●ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

注意欠陥多動性障害の略。動き回り、じっとしていられない、ボーッとしていて話を聞けない、すぐに気が散る、待つのが苦手、整理整頓ができず忘れ物が多いなどのあらわれが特徴。不注意、多動性、衝動性が代表的な症状。

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