「物を借りても返さない」発達障害の子ども(低学年~)行動の理由と対処法

ものを借りたこと自体を忘れてしまう



  • 出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
  • 著者:高貝 就 浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター特任准教授

 友だちから、おもちゃや本を借りても、借りたことをすぐに忘れてしまいます。そして、友だちに催促されて思い出します。

 また、友だちにものを借りるときに、相手の承諾をきちんととらずにもっていってしまったり、返すときも「ありがとう」と言い忘れたりなど、ものの貸し借りのルールがきちんとわかっていないようなところがあります。

Why ?

*ものを借りて返すということを重要とは思っていないので、借りたことを忘れてしまうのです。

 借りたこと自体を忘れてしまったり、返そうと思ってランドセルに入れても、そこから出して返すことを忘れてしまうのです。広汎性発達障害の子どもは、興味のあることや昔あった出来事を覚えておくことは苦手ではないのですが、興味や注意を向けていないことについては、記憶に残りにくいのが特徴。他人からものを借りたりしたことを覚えておくのが苦手なのは、借りたことに注意を払うことが少ないからです。

こう対処

*借りた事実に注意がいくように、メモをしたりルールを決めたりして自覚を促しましょう。

 「お友だちからものを借りたら、ノートにメモをする」「人から借りたものは、家や学校で決まった場所に置くようにする」といったルールを子どもとつくり、それを家のなかの目につきやすいところに貼って、注意や記憶を留めておきやすくする工夫をしてみてください。また、子どもが自分ですすんでものを返すことができたら、「よく気がついたね」としっかりとほめましょう。自分の取った行動が正しいと評価されると、その行動をまたくり返そうと思い、それが定着につながります。


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