嘔吐(おうと)以外にこんな症状があったらすぐ受診を-乳幼児[吐く]対処法


  • 出典:株式会社法研「らくらく育児百科」
  • 総監修:細谷 亮太 聖路加国際病院特別顧問 小児総合医療センター長

 嘔吐だけでなく、体重の増え方が順調でなかったり、熱があってきげんの悪いときは、ちょっと心配です。

 健康状態を大きく左右することもあるので、落ち着いて病院へ連れて行きましょう。

嘔吐+体重が増えない

肥厚性幽門狭窄症

*症状

 生まれて2~4週目のころから、母乳やミルクを飲むたびに、噴水のように吐く赤ちゃんがいます。口からだけでなく、鼻からも飛び出すような吐き方です。

 これは、肥厚性幽(ゆう)門(もん)狭窄症(きょうさくしょう)といって、胃の出口(幽門)の筋肉が、生まれつき厚くなっているため内側が狭くなり、食物が通りにくくなる病気です。

*対策

 このままにしておくと、ミルクや母乳がほとんどからだの中へ入っていかないので、栄養が吸収されず体重も増えていきません。できるだけ早く医師の診察を受けて、対策を行います。

嘔吐+体重が増えない

先天性噴門弛緩症

*症状

 胃の入り口(噴門)の筋肉が、生まれつき弱い赤ちゃんがいます。

 一般には、6か月くらいになると噴門の筋肉が発達してきて、ミルクや母乳を吐かなくなります。しかし、生まれてすぐから、飲んだ母乳やミルクをたくさん吐き、体重も順調に増えないときは、先天性の噴門弛緩症も考えられます。

*対策

 医師に早めに相談して、対策を見つけましょう。母乳やミルクの量を減らして、何回にも分けて飲ませる、授乳の後、しばらく抱いて胃からの逆流を防ぐなどの工夫を教えてくれるはずです。

嘔吐+激しく泣く、血便など

腸重積

*症状

 元気だった赤ちゃんや幼児が突然激しく泣いて、2~3分続いたと思うと少しおさまる。しかし、やがてまた激しく泣き出す――。これを15~20分おきくらいに何回か繰り返しているうちに吐き始め、顔色があおくなってグッタリしてしまう。おむつを開けてみると、いちごジャムのような血便が出ている。

 このような症状がそろえば、腸重積と思って間違いはありません。腸重積は、簡単に言えば、腸の中へ腸が入り込んでしだいに壊死してしまう病気です。

*対策

 一刻を争う病気です。深夜、休日でもただちに病院へ。場合によっては救急車を呼ぶことも必要でしょう。

 生後4か月くらいの赤ちゃんから、2歳くらいまでの子どもに起こりやすい病気です。発症してから、24時間以内に適切な手当てをすれば、ほとんどの場合、手術をしなくても治ると言われています。

 おなかにひどい痛みがおこりますが、赤ちゃんや幼児はそれを言葉でうまく表すことができません。そばで世話をしているママとパパの早い発見が、その後の治療を左右するのです。顔色やきげんの変化を決して見逃さないようにしましょう。

赤ちゃん・乳幼児の腸重積の症状

嘔吐の原因は、ほかにもあります

 吐く原因は、必ずしも胃や腸にだけあるとは限りません。人間の脳の中には、嘔吐中枢があって、頭の中の病気やけがによってそこが刺激されると、吐いてしまいます。

 たとえば、転んで頭を強く打ち、内出血が起きたとき、ある程度時間がたってから急に吐くことがあります。

 また、嘔吐と発熱が重なったときは、脳炎や髄膜炎、中耳炎なども心配です。

 いずれも急いで医師の診察を受け、的確な診断とすばやい処置を受けなくてはいけません。

原因がわからない神経性の嘔吐(自家中毒)

 正式名称は、周期性嘔吐症という病気があります。

 かぜをひいたり、疲れたり、食べすぎたり、子どもがストレスを感じたときなどに猛烈な嘔吐の発作が起こるもので、神経の細やかなタイプの子どもに多く見られます。

 2歳くらいから始まり、一時期は何度も同じ発作を繰り返しますが、学童期になり、自律神経や脳が発達してくると自然に治っていきます。

 医師と相談しながら、やさしく見守ってあげる姿勢が大切です。

 パパとママも、あまり神経質にならずに、おおらかな気持ちで子どもに接しましょう。ぐっすりとよく眠れ、疲れが取れる環境を作ってあげてください。


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