アトピー、蕁麻疹はかゆみのコントロールが大切!-乳幼児[アレルギー性の病気]対処法


  • 出典:株式会社法研「らくらく育児百科」
  • 総監修:細谷 亮太 聖路加国際病院特別顧問 小児総合医療センター長

アトピー性皮膚炎

かゆみのコントロールが大切

*症状

 かゆみの強い湿疹が、頭、顔、首、ひじの内側、ひざの裏側など、皮膚のやわらかい部分にできます。そして、季節や体調によって、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性的に続きます。

 湿疹のできる場所や症状は、年齢によっても変わってきます。赤ちゃん時代は、頭や顔に強く症状が出て、ジクジクと水をもって、かさぶたのようになることがあります。脂漏性湿疹と症状が似ているので、区別がつかないことがあるかもしれません。

 成長にしたがって、1歳ごろからは手首足首から、ひじの内側、ひざの裏側へと、湿疹ができる場所が広がっていきます。湿疹はだんだん乾いてきて、カサカサと粉をふくような状態になることもあります。

 大人になるまでに治ることが多いのですが、最近は大人になってから発症するアトピー性皮膚炎も増えています。上手に手当てをして、症状をコントロールしてあげましょう。

*手当て

 かゆみのある湿疹は、かいては悪化させるということを繰り返しやすいので、爪は短く切り、また、赤ちゃんや幼児がなるべくかかないように工夫をしてあげましょう。

 直接、肌に触れる下着類や寝具(シーツなど)は、吸湿性や通気性のいい天然素材の製品を選びましょう。毛や化学繊維には、チクチクする素材の製品があるので、抱っこをするママやパパの衣類にも気をつけたいものです。

 湿疹の原因については検査を受け、疑わしい食品や素材などがわかったときは、医師の指示にしたがいましょう。

 おふろでは、刺激の少ない石けんやシャンプーを使って、皮膚を清潔にしておきます。汗、アカ、食べものの汁などは、皮膚を刺激し、湿疹を悪化させる原因になります。

 医師は、症状によっては、保湿薬やステロイド薬(副腎皮質ホルモン)の軟膏を処方してくれます。また、アレルギーの反応を起こしにくくする抗アレルギー薬を処方してくれるときもあります。やたらに副作用を心配するあまり、用法や使用量を守らないと、かえって症状が悪化してしまうこともあります。医師の指示にしたがって使いましょう。

赤ちゃん・乳幼児のアトピー性皮膚炎

じんましん

いきなり起こるかゆみや腫れ

*症状

 皮膚が盛り上がったり、地図のような発疹が出たりして、強いかゆみを感じる病気です。食べもので起こることも多いのですが、感染症ウイルス、薬、温度差、食品添加物、ストレスなど、あらゆることがじんましんの原因になります。

 じんましんは、赤ちゃんにはあまり出ませんが、2~3歳以上の幼児にはしばしば起こります。アレルギー性のものと、そうでないものがあります。

 症状が強いときは、くちびるやのど、目などにも腫れやかゆみが出るときがあり、呼吸困難を起こすことさえあります。

赤ちゃん・乳幼児のじんましん

 厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」より(平成23年3月)


*手当て

 じんましんのかゆみをやわらげるためには、冷水でしぼったタオルや保冷剤で冷やすと効果があります。また、部屋は暖かくしすぎないようにし、おふろやシャワーの温度も少し低めにします。

 じんましんが出たときは、一度は医師の診察を受けるようにしましょう。食べたもののせいだと思っていたら、実は動物の毛や虫さされによるもの、薬害などの場合もあるからです。

 また、食事の制限をするときは必ず医師の指示を受けましょう。

乾燥肌を放っておくと…

気管支ぜんそく

夜中の発作がつらい

*症状

 突然ヒューヒュー、ゼーゼーと呼吸が苦しそうになって、せきこんだりする発作を起こします。

 発作は、天候の変化や精神的なストレスが引き金になっていることもありますし、ハウスダスト、花粉、食べものの影響、インフルエンザなどのウイルス感染で悪化するときもあります。

 最初の発作は、4~5歳までに起こることが多いようです。1歳未満の赤ちゃんにはほとんど見られませんが、アトピー性皮膚炎にかかっていたり、かぜをひくとのどがヒューヒューという赤ちゃんは、1歳をすぎると、気管支ぜんそくに移行しやすいと言われています。

 発作が起こると、気管支の粘膜がむくみ、空気の通りが悪くなります。そのうえ、痰(たん)も多く出るので空気の通りが悪くなり、ひどければ窒息してしまう恐れもあります。

 発作がひどくて、くちびるにチアノーゼを起こしたり、けいれんを起こして意識が薄れたら、たとえ夜中でも医師の診察を受けましょう。

赤ちゃん・乳幼児の気管支ぜんそく

*手当て

 かぜや食べものの影響などだけでなく、寒暖の差や冷たい風を吸いこんだ刺激で、ヒューヒューと呼吸が苦しくなる症状が起こることもあります。そうした子どもの多くがアトピー素因を持っているとされています。

 そこで、気管支ぜんそくかなと思う症状があったら、病院で原因を突き止めるために必要な検査を受け、家庭でのすごし方のアドバイスを受けましょう。このとき、発作を起こした状況や回数、顔色などをきちんとメモしておいて、医師に伝えましょう。

 発作が軽いときは、衣服をゆるめて、痰を切りやすいように水分をたくさん飲ませます。腹式呼吸をさせるようにすると呼吸が楽になるようです。

 それでも、まだ発作がおさまらないときは、医師の指示を守って、吸入薬や飲み薬を使いましょう。

 気管支ぜんそくの発作は、夜中に起こることが多いので、かぜをひいているときなどは昼間のようすを見て、早めに医師に連れて行ったほうが安心です。

 夜中の発作で眠れないなどで、朝、元気がないときも、医師の診察を受けておきましょう。

 なお、気管支ぜんそくと診断されたら、ステロイド吸入などの長期的な投薬管理が必要になることもあります。必ずかかりつけの医師を持ち、インフルエンザなどの感染症が流行しやすい時期には特に健康管理に気をつけましょう。

食物アレルギー

正しい食事管理を

*症状

 特定の食べものを食べたときに起こすアレルギー症状をまとめて「食物アレルギー」と呼びます。じんましんや、嘔吐、下痢、皮膚炎はいろいろです。

 特定の食べものを食べてすぐから2時間くらいの間に起こることがほとんどです。しかし、食べて数時間たってから出る場合もあります。

 なかには、食物アレルギーのためにショック状態になって、生命にかかわるようなケースもあります。一度でも重症のアレルギーを起こした子は、小児科医に相談してください。ショックを起こしたときの緊急用の注射などがあります。

*手当て

 食物アレルギーが疑わしいときは、かかりつけの小児科医に相談してください。皮膚症状に加えて呼吸器系、消化器系などの症状が出たら、救急外来を受診してください。

食物アレルギーの症状

赤ちゃん・乳幼児の食物アレルギーの症状

・目

かゆみ、充血、まぶたの腫れ

・鼻

くしゃみ、鼻水、鼻づまり

・胃腸

腹痛、吐き気、嘔(おう)吐(と)、下痢、血便、

・口、のど

くちびる・口の中・舌の腫れ、のどのかゆみ、イガイガ感

・気管支

せき、ゼーゼーする、呼吸困難

・皮膚

かゆみ、じんましん、湿疹、むくみ、赤斑

・その他

頭痛、元気がない、だるい


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