乳幼児の処方薬の正しい使い方と保管法-乳幼児の病気と手当「日常からの準備」

薬でわからないことは、医師や薬剤師に確認を



  • 出典:株式会社法研「らくらく育児百科」
  • 総監修:細谷 亮太 聖路加国際病院特別顧問 小児総合医療センター長

処方薬と市販薬の違い

 1歳以下の赤ちゃんには、医師の診断を受け、処方された薬を使うのが基本です。このように医師から処方された薬を「処方薬」と言います。一般には医師に「処方せん」を発行してもらい、調剤薬局で薬を購入します。医療機関で直接、薬が出されることもあります。

 一方、薬局・薬店で直接購入できる薬を「市販薬」と言います。

医師や薬剤師としっかり情報交換を

 どんな薬にも、病気を治すための主作用と、その結果現れる副作用があります。副作用が気になる場合は、医師や薬剤師の説明をしっかり受けるようにしましょう。

 同じ薬でも、使い方や分量、使う人の体質によって、効き方や副作用の出方が異なります。

 かかりつけの医師ならお子さんのことをよく知っているでしょうが、初めて受診するときや、夜間救急で受診する場合などは、医師にできるだけお子さんのことを伝えましょう。

「ほかに薬を飲んでいる」「薬でアレルギー症状が出たことがある」「過去に薬の副作用が出たことがある」など、より具体的に説明しましょう。

 薬の使用経験がある場合は、「お薬手帳」を持参すると便利です。

薬の正しい保管方法

・子どもの手の届かないところに置く

 誤飲を防ぐために、保管場所に注意しましょう。

・高温多湿の場所や直射日光の当たる場所を避ける

 密閉容器に入れて、冷蔵庫などに保管するとよいでしょう。特にシロップや座薬は、必ず冷蔵庫で保管します。粉末は常温で大丈夫です。軟膏は未開封状態では常温でよいのですが、開封後は冷蔵庫で保管します。

薬の内容や疑問は医師や薬剤師に確認

 処方薬の内容や保管方法、使用期限、使用上の注意などは、医師や調剤薬局の薬剤師に確認しましょう。

 子どもの症状がよくなったからと、勝手な判断で薬の使用を中止せずに、かかりつけ医の指示にしたがいましょう。

 以前処方された薬が残っているからと、似たような症状が出たときに、使い残しの薬を使うのもやめましょう。

上手な薬の飲ませ方、塗り方、使い方

 体調の悪いときには、赤ちゃんもぐずりがち。薬は上手に、手際よく飲ませて、赤ちゃんや幼児の負担を取り除いてあげましょう。

*内服薬

・粉末

 1~2滴の水か湯冷ましを加えて、ペースト状に練り、指先にそれをつけて、赤ちゃんの上あごやほほの内側に塗りつけます。その後、湯ざましなどを飲ませます。または、少量の湯ざましに溶かして飲ませます。薄めすぎて分量が多くなると、飲み残すこともあるので気をつけましょう。

赤ちゃんの粉末薬の飲ませ方

・シロップ

 1回の分量を正確に計り、スプーンなどに移します。それを数回に分けて与えます。1回分の量を一度に与えると吹きだすことがあるので注意しましょう。

赤ちゃんのシロップ薬の飲ませ方

※少量のヨーグルトやゼリーに薬を混ぜて飲ませる方法もあります。ミルクの中へ薬を混ぜると、味が変わるためにミルク嫌いになってしまう心配があります。薬とミルクは、別々に飲ませましょう。

*目薬

・軟膏の目薬

 チューブの先が目に触れないようにしながら、まぶたの中に、軟膏を多めに入れます。次に、目頭から目じりにかけて、指でやさしくなでて、薬が全体に行き渡るようにします。

赤ちゃんの目薬の差し方

・液体の目薬

 親指と人差し指で、まぶたをそっと開いて、目頭に近い、白目のところに、1~2滴の目薬をさします。目薬容器の先が目にあたらないようにしましょう。触れると容器の中で雑菌が増殖してしまいます。

赤ちゃんに目薬を差すときの注意点

※点眼のチャンスは赤ちゃんや幼児が寝ているとき。いやがるときに無理やり点眼をすると、目や顔を傷つけたり、事故のもとになるのでやめましょう。

*座薬

 赤ちゃんや幼児では、解熱薬として使うのが一般的です。直腸の粘膜から、薬の成分が直接吸収されるので、薬の効きめが早いというのが特徴です。

 とがった先のほうから、肛門へ入れ、しばらく肛門を押さえておきます。

赤ちゃんや幼児の座薬の入れ方

※薬の先に水や唾液をつけると滑りがよくなるので、素早く肛門に入れましょう。


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