栄養失調症

竹内一夫

 食べ物が余って捨てるほど豊かな現代では、肥満や成人病が問題になることが多く、栄養失調症とは無縁かと思われがちですが、そうではありません。

 たとえば、アトピー性皮膚炎の治療のために、母親が神経質になりすぎて過度の食事制限をしたり、民間療法に頼りすぎて乳児が栄養失調症になる場合があります。また近年、虐待のひとつであるネグレクト(養育拒否)が社会問題になっています。子どもは食事をとらせてもらえず、低栄養になります。親戚や近所の人、保健師、医療関係者などが早く気づき、適切に対処することでネグレクトによる子どもの死を防がなければなりません。

 乳児が低栄養状態になると抵抗力が低下して、重症な感染症にかかりやすくなります。医療機関を受診した時には手遅れだったということも少なくありません。

 年長児、とくに女児では、極端なダイエットや神経性食思不振症(拒食症)から栄養失調症となることがあります。急激な体重の減少には注意が必要です。

 このように、核家族化や孤立した養育環境などのもたらす不適切な子育てや、情報氾濫の影響による誤った「やせ願望」など、昔ではみられなかった原因による栄養失調症があるのです。


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