腎不全

鈴木俊明

 腎臓のはたらきが低下して不要な老廃物や水分などの排泄が十分できなくなった状態を「腎不全」といいます。

 腎臓の機能が半分以下になると、成長障害や貧血、骨の異常などを合併するようになり、末期状態になると、尿毒症症状(食欲不振や嘔吐といった消化器症状、けいれんや意識障害などの精神神経症状など)が現れます。

 小児の末期腎不全患者は、年間におよそ60人程度発生し、現在200〜300人ほどが透析を受けているとされています。

 原因疾患としては、以前1位であった糸球体腎炎の頻度が減少し、代わって先天性の腎尿路奇形が占める割合が増加し、1位となっているのが特徴です。

 基本的に不可逆的(元にもどらない)で進行性のため、腎機能低下の進行をいかにくい止めるかが重要です。残念ながら末期の腎不全になってしまった場合は、十分はたらけなくなった腎臓の代わりに、腹膜透析、血液透析といった治療法が選択されます。

 透析および支持療法の進歩に伴って、腎不全を患いながらも、幼稚園や学校に通ったり、旅行をしたりといった健常な子どもと同じ生活が十分可能になっています。しかし、よりよい精神・身体の発育のためには腎移植が最も望ましい治療法です。また、透析をへずに移植を行うこともあります。

 腎不全に伴う成長発育の問題や骨の障害、心機能障害、精神的な問題などは、腎機能が低下してきた段階からすでに始まっている問題です。早い時期から、小児腎臓病の専門医と将来を見据えた相談をすることが望ましいと思われます。


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