ハンセン病は有効な治療薬がない時代には、外見上の問題と手足の不自由による就労の困難などから、住民から疎外され、宗教上も差別され、法律でも隔離などの対策がとられました。日本では、有効な治療薬の出現後も1996年まで「らい予防法」が存在し、偏見・差別、人権侵害の長い歴史いた病気です。

ハンセン病とはどんな病気?

らい菌による慢性感染症で、主に 皮膚と末梢神経 に病変が生じます。日本では感染源になる人はほとんどいません。たとえ感染しても、現在の日本では発症することはまずありません。もちろん遺伝はしません。

従来「らい」「癩(らい)」などの言葉が用いられてきましたが、現在は偏見・差別を助長するものとして使いません。

ハンセン病の症状とは?

らい菌は、主に皮膚と末梢神経に病変を起こします。そのため、知覚麻痺(ちかくまひ)(痛・触・冷・温覚麻痺)、末梢神経肥厚(まっしょうしんけいひこう)などの神経症状が起こります。また、指が曲がって変形したり、顔面神経の運動麻痺も起こります。

皮膚の発疹の現れ方はさまざまですが、ヒトのらい菌に対する抵抗力と相関があり、菌に侵された組織の所見から、以下のようにに分類されています。

らい腫型(L型)・類結核型(るいけっかくがた)(T型)・境界群(B群)・未定型群(I群)

治療のうえからは、組織に菌が多数見られる多菌型(L型、B群)と、
組織に菌が少ない少菌型(T型、I群)に大きく分けられています(WHO分類)。

(1)らい腫型(L型)
らい菌に対する抵抗力が弱いため、病巣組織内に多数のらい菌が増殖しています。辺縁がはっきりしない紅斑(こうはん)、丘疹(きゅうしん)(ぶつぶつ)、結節(しこり)が、全身に左右対称性に現れます。頭髪や眉毛の脱毛も起こりますが、知覚障害や神経の肥厚はほとんどありません。

(2)類結核型(T型)
菌の増殖は末梢神経内だけに限られます。境目がはっきりして辺縁が盛り上がるか、あるいは平らな斑が部分的に、また、非対称性に現れます。知覚障害がしばしばみられ、神経の肥厚も目立ちます。

(3)その他
L型とT型の中間の境界群や、頻度の低い未定型群があります。B群は、境界のはっきりしない大小の赤い斑が多発しますが、らい菌に対する免疫状態が安定していないのでいろいろな病態がみられます。I群は、淡い赤さの斑と皮膚の色の抜けた斑が現れ、知覚の低下や発汗障害がみられます。自然によくなったり、進行して他の型に移行します。

一般に少菌型では神経の障害は大きく、多菌型では少ないのですが、必ずしも病型と相関しません。慢性の経過中に急性増悪を来すことがあり、“らい反応”と呼ばれています。B群の患者さんでは浮腫性紅斑や硬結(しこり)が特徴的で、神経痛も伴い、多菌型の患者さんではらい性結節性紅斑と、発熱、リンパ節腫脹、関節痛など全身症状もみられます。

ハンセン病に気がついたら…治療法は?

治療はWHOの推奨する多剤併用療法に準じて行われています。抗生物質(リファンピシン、DDS、クロファジミン)を内服します。

ハンセン病は治る病気ですが、早期診断、早期治療、確実な内服を心がけ、後遺症を残さず耐性菌(たいせいきん)をつくらないようにすることが大切です。らい菌が多い(多菌型)患者さんは1〜数年間、らい菌の少ない(少菌型)患者さんは6カ月間の内服で治ります。

もしも、ハンセン病に気づいたら、皮膚科で診察を受けてください。診察はまず問診(出身地・出身国、小児期の居住地、家族歴、気づかずにいるやけどやけがの既往など)を行い、その後、皮膚症状、神経の所見、らい菌の証明、病理組織学的検査などを行います。

ハンセン病の詳細

 らい菌により主として皮膚と末梢神経が侵される慢性の全身性感染症です。
 らい菌による慢性感染症で、主に皮膚と末梢神経に病変が生じます。日本では感染源になる人はほとんどいません。たとえ感染しても、現在の日本では発症することはまずありません。もちろん遺伝はしません。  従来...

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