心臓の脈の打ち方が乱れる不整脈。自分では自覚症状がないのに、人間ドッグで指摘されて初めて気づく人も多いのが現状です。治療が不要なものから、手術が必要なものまであるので、正しい知識を身につけて対処しましょう。

不整脈とはどんな症状なの? 不整脈の3つのタイプ

心臓は、1分間に50〜100回ほど収縮して、身体中に血液を送っています。 この心臓が生理的に働く理由は、心臓の右上にある 洞結節 (どうけっせつ)という部位が、心臓の中に弱い電気を流し、心臓を動かしているためです。この心臓の中の 電気の乱れを総称して不整脈 と言います。

この電気の乱れとは、洞結節で電気が発生しない、または別の場所から電気が流れてしまうこと。すると、心臓が正しく収縮しなくなるため、それにより症状が現れてくるのです。

○不整脈のタイプ
<頻脈>
脈が速くなり、1分間に100以上になる。長く続くと心臓が十分に収縮できずに送り出される血液の量が減り、動悸や息切れ、めまい、失神などを起こすことがある。

  • 心房細動:脈が1分間に100〜120程度になる。 心臓の上部にある心房が細かくけいれんするように震え、心房内の血液がよどんで血栓(血のかたまり)ができやすくなる。血栓が脳の血管に運ばれると 脳梗塞を引き起こす恐れ がある。強い動悸や胸部の違和感を感じることもあるが、自覚症状がないこともある。加齢とともに増加するが、気づかず過ごしている人も多い。
  • 心室細動:脈が1分間に350以上にもなって不規則になる。 心臓の下部にある心室が細かくけいれんするように震え、全身に血液を送り出せなくなる。 血圧が著しく低下し、突然死 を起こすこともある。心筋梗塞や心不全に伴って起こったり、抗不整脈薬などの薬の副作用によって起こることもある。

<徐脈>
脈が遅くなり、1分間に50以下になる。脈拍の間隔が開き、血液の循環が悪くなって、倦怠(けんたい)感、めまい、失神などを起こすことがある。

<期外収縮>
脈が一時的に乱れ、脈が飛んだり、心臓が一瞬止まったように感じることもあるが、自覚症状がない場合も多い。最も多くみられる不整脈であり、健康な人にもみられる症状でほとんどは心配いらないが、まれに狭心症や心筋梗塞、心不全などの病気が隠れていることがある。

不整脈の原因や症状とは?

不整脈の 原因として一番多いのは、年齢や体質 によるもの。1〜2日間心電図を記録すると、中年以上の人はほとんどが、毎日1〜2個は不整脈が見つかるもの。加齢、ストレス、睡眠不足、疲労でも不整脈は起こりやすくなります。また、心臓の病気があると不整脈が起こりやすくなるほか、高血圧、肺に病気がある人、甲状腺異常のある人もこれにあたります。

気をつけたいのは、急に意識がなくなったり、失神 する場合です。この場合、一時的に心臓が止まっているか、極度の頻脈が起こっている状態が考えられます。失神症状が起こった時は、直ちに病院を受診しましょう。

また、体を動かす時に、強い息切れを感じ、脈拍数が1分間40以下の場合。脈が遅すぎて、心不全を起こしている可能性が。こういった場合は、ペースメーカー治療が必要になる場合があります。突然動悸が始まり、突然止まるのも要注意。多くは、1分間の脈拍数が150〜200になり、息苦しく、冷や汗がでます。この場合は、ほかの病気の検査をした後、薬での治療となります。

さらに、 年をとると10人に1人の割合で「心房細動」 という、心臓の心房の中で電気が空回りして、 脈が速くなる状態 が起こります。これ自体は命に関わることはありませんが、心臓のなかに血の塊ができて 脳梗塞を起こしやすくなる ため、血をサラサラにする薬をのんで脳梗塞の予防をします。

不整脈のひとつ、期外収縮とはどんな病気? 原因や症状

期外収縮は、もともとの調律(タイミング)で心拍が生じると予想される時期より早期に生じる電気的な興奮のことを指します。そのため、余分な心拍が現れます。
期外収縮自体は放っておいてもよい不整脈ですが、期外収縮が引き金になって頻拍(ひんぱく)が起こる場合や、期外収縮による自覚症状が強い場合には治療の対象になります。

期外収縮の原因は、自律神経の異常 によって起こることが多いようですが、原因がはっきりしないこともあります。病的な心臓だけでなく健常な人にも生じます。 アルコールの飲みすぎ、睡眠不足、疲労、ストレスなどが誘因 になります。

症状の現れ方ですが、期外収縮の症状はさまざまで、患者さんの感受性によって強弱も違います。 どきっとする、くーとする、もやもやする などと表現されます。そのような症状を自覚する時に脈をみると、脈が抜けていることで期外収縮と判断されることが多いようです。

自覚症状の強弱は、先行する心拍のあと、どのくらいの時間(連結期)で期外収縮が現れるかによって左右されます。次の正常心拍が現れる時期に近いタイミングで、長い連結期をもって期外収縮が現れる時には、前後の心拍の出現時間に著しい差はないために、期外収縮はほとんど自覚されません。逆に先行心拍に近く、短い連結期で生じる期外収縮は、起源がどこであっても、強く症状を感じます。

敏感な人では1発の期外収縮を的確に自覚します。しかし、一般に期外収縮の出現数が1日に2万発、3万発あるような人は期外収縮による症状を自覚しないことが多く、むしろ1日数百発から数千発出現する場合に症状を強く自覚します。健常な人でも自分の年齢数くらいは期外収縮が現れてもおかしくありません。

不整脈は治療するべきなの?

不整脈はいくつかのタイプが重複してみられることもあります。また、同じタイプの不整脈でも、症状の出方や程度によって、治療の要・不要や治療法は異なります。軽症の場合は日常生活の見直しで改善するものもあります。心臓病や高血圧など不整脈の原因がわかっている場合は、まず原因疾患への対応が行われます。その上で、必要に応じて薬物療法やカテーテル治療、ペースメーカーなどによる治療が行われます。

頻脈の一種である心房細動は、それだけですぐ命にかかわるものではありませんが、放置すると重い脳梗塞を起こすことがあり、リスクの高い人には血栓を予防する薬が用いられ、カテーテル治療が行われることもあります。

突然死を起こす危険のある心室細動などが起こっている場合は、ただちに電気ショックを与える必要があり、病院の外で発症した場合はAED(自動体外式除細動器)が役立ちます。失神などの危険な症状がある除脈では、心臓に電気を送る「ペースメーカー」の植え込み手術が行われることもあります。

不整脈で最も多くみられる「期外収縮」は、これ自体心配のない不整脈で治療の必要はありませんが、自覚症状が強い場合には、抗不整脈薬や抗不安薬などによる治療が行われることがあります。また、「心配のない不整脈」と言われても、どうしても不安が募り、そのことで不整脈をくり返す人も少なくありません。不整脈には精神的な要因が影響することをよく理解し、専門医の診断を信用して必要以上にこわがらないことです。

日常生活では、お酒の飲みすぎや喫煙、ストレス、過労、睡眠不足なども不整脈を悪化させる原因となります。節酒・禁煙を心がけ、適度な運動や趣味でストレスを積極的に解消し、十分に休養をとるなど、生活習慣の見直しを行うことも大切です。

不整脈の詳細

 心臓は規則正しいリズムで収縮しています。これは図18のように洞房結節(どうぼうけっせつ)から房室結節(ぼうしつけっせつ)を通ってプルキンエ線維までの刺激伝導系で電気的刺激を心臓全体に伝えているからで...
 心臓は筋肉でできていて、1分間に50〜100回くらい収縮して、体中に血液を送るポンプです。心臓はとまることなく動いていますが、頭で考えて動かしているわけではなく、勝手に動き続けています。  それは、...

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