悪性リンパ腫,ホジキンリンパ腫,非ホジキンリンパ腫の詳細

 悪性リンパ腫は全身のリンパ節やリンパ組織に発生するがんです。ホジキン病と非ホジキンリンパ腫に分けられますが、日本では非ホジキンリンパ腫がほとんどです。3〜10歳の発病が過半数を占め、女児よりも男児に...
 悪性リンパ腫は、リンパ組織ががん化して起きる病気です。リンパ節に発生することが多いのですが、どの臓器にもリンパ組織があるため、咽頭、甲状腺(こうじょうせん)、肺、胃腸、脾臓(ひぞう)、脳脊髄(のうせ...
 全身に広がっているリンパ組織内の細胞が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく病気です。ホジキンリンパ腫(ホジキンという人が最初に報告した)と、それ以外の非ホジキンリンパ腫に大別されますが、互いに似た...

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からだのなかには、リンパ管という細い管のネットワークが張り巡らされています。リンパ管は、全身に網の目のように広がっている細いリンパ管(毛細リンパ管)が、合流しながら太くなっていきます。悪性リンパ腫はこのリンパの組織が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく病気です。

リンパのはたらきとは?

リンパ管は、全身に網の目のように広がっている細いリンパ管(毛細リンパ管)が、合流しながら太くなっていきます。

右側上半身のリンパ管は、合流を繰り返しながら、右リンパ本幹(右胸管)へ、それ以外は左リンパ胸管(胸管)につながります。最終的には右リンパ本幹は内頸静脈へ、左リンパ胸管は鎖骨下静脈へと合流し、血液に戻ります。

毛細リンパ管の壁は内被細胞でできていて、随所に細胞の間が開いている所があり、その隙間からリンパ球を含む組織液がしみ出てリンパ液となります。リンパ管を通って静脈に戻るリンパ液は、心臓から動脈を通り、毛細血管から再びしみ出してリンパ管に入り、循環します。

リンパ管の合流地点の要所には、リンパ節 (リンパ腺)と呼ばれる豆状にふくらんだ器官があります。 1〜20mmという大きさで、数は全身に約800個。首、わき、ひじ、ひざ、足の付け根 となる鼠径部など、四肢や頭と体幹をつなぐ関節部に集中しています。

リンパ節は、 ケガなどをして細菌などが体内に入った場合、それらをせき止める場所 です。細菌が血液に混入するのを防ぐため、傷を負った部位から近いリンパ節で細菌を捕え、その場にとどめます。

そのため、 傷口とは別に“リンパ節が腫れる“などの炎症をおこします が、リンパ節より先に細菌を通さない“関所“の役割を担っているのです。

○からだを外敵から守るリンパ球

リンパ液の成分は、血漿とほぼ同じです。しかし、たんぱく質量は少なく、白血球の一部であるリンパ球が含まれています。

リンパ球には、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞など複数の種類があります。これらは、侵入してきた病原体を攻撃するというはたらきは同じですが、複数の菌に対処できるように、それぞれ攻撃相手となる外敵を違えています。

また、B細胞やT細胞、マクロファージ、樹状細胞などの免疫細胞は、胸腺、脾臓、リンパ節、パイエル板、扁桃、虫垂、赤色骨髄といった付随的なリンパ組織を足場に使って、からだを循環しています。

悪性リンパ腫とはどんな病気?

悪性リンパ腫は、リンパ組織ががん化して起きる病気 です。リンパ節に発生することが多いのですが、どの臓器にもリンパ組織があるため、 咽頭、甲状腺、肺、胃腸、ひ臓、脳せき髄 など、リンパ節以外のさまざまな臓器・部位にも発生します。高齢者でより頻度が高い腫瘍です。

主な症状は リンパ節のはれ・しこりや圧迫感 で、けい部、わきの下、股の付け根のリンパ節がはれることです。通常は進行性で痛みがありません。触知できるリンパ節以外に発生した時は、原因不明の体重減少、38℃以上の発熱、激しい寝汗、骨痛、意識障害など、全身的な症状として現れることがあります。

原因はまだ不明ですが、一部でウイルスや、ヘリコバクター・ピロリ菌が関与することがわかっています。

悪性リンパ腫の原因とは?

白血病と同様に、 化学物質・放射線 などさまざまな因子が関連していると考えられています。最近、病原体の関与が推測されており、一部の非ホジキンリンパ腫(バーキットリンパ腫、鼻腔原発(びくうげんぱつ)NK細胞性リンパ腫など)では、EBウイルス感染が関与していると考えられています。また、胃のMALTリンパ腫では、 ヘリコバクター・ピロリ菌 が発症に関与しています。

このほか、ヒトヘルペスウイルス6型や8型、C型肝炎ウイルスなども発症に関与することが推定されています。

○ヘリコバクター・ピロリ菌
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃に住みつく細菌で、経口によって感染するといわれています。感染すると、胃粘膜に定着して毒素を出し、粘膜を損傷します。そのため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍はもちろん、萎縮性胃炎を引きおこし、じりじりと胃の機能が低下してきます。

悪性リンパ腫の発生頻度とは?

人口10万人に対して1年間に男性約9人、女性約6人の割合で発生 します。非ホジキンリンパ腫の場合、50代から次第に増加します。これに対しホジキンリンパ腫では、20代と壮年層の2つのピークを認めます。

欧米人は日本人より発症頻度が高い ことが知られていますが、原因はまだ明らかではありません。日本人における頻度は最近とくに 増加傾向 にあり、その理由として国民年齢層の高齢化のほかに、診断技術の向上、ライフスタイルの欧米化などが指摘されています。

悪性リンパ腫の症状とは?

しばしばリンパ節腫脹から始まります。 痛みがないため、気がついた時にはかなり大きく なり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。

なお、日本人の場合、リンパ節腫脹以外で起こるリンパ腫(節外性リンパ腫)の形で発症するものが40%ほど存在します。リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、 日本人では胃から起こる症例が多い といわれています。節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。

全身症状としては、 発熱、全身の倦怠感、体重減少、寝汗 などがあります。とくにホジキンリンパ腫では38℃を超える発熱、全身のかゆみを訴えることがあります。

悪性リンパ腫の治療方法や生存率はどのくらい?

○ホジキンリンパ腫
限局型(前述のI期、II期)では化学療法を3〜4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが、最近では一般的になっています。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で 大部分の人が5年以上生存 します。

全身型(前述のIII期、IV期)では化学療法を行います。最近では70%以上の症例で寛解(かんかい)(一時的に正常な状態になること)となり、その 半数以上が10年間再発することなく生存 できます。

ホジキンリンパ腫に対する標準的化学療法は、ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)とされています。

○非ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫と同様に、限局型(I期、II期)では化学療法を3〜4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが一般的です。限局型に対して放射線療法と化学療法を併用して行った場合、 70%以上の症例で長期生存 が得られます。

全身型(III期、IV期)は、強力な化学療法を行うことにより 60〜80%の症例で寛解 が得られ、 2年以上寛解を継続した例では長期生存が期待 されます。

非ホジキンリンパ腫に対する現時点での標準的化学療法は、CHOP療法(シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)です。