チックは、体の一部あるいは全身が不随意(ふずいい)に瞬間的に動いてしまう病気です。てんかんなどと違い、意識を失うことはありません。瞬間的に声が出てしまうこともあります。チック症についてくわしく解説します。

チック症とはどんな病気?

チックとは一種の癖のようなもので、 乳幼児期から学童期(4〜11歳頃) にかけ、心と体の成長・発達の過程で多くの子どもにみられるものです。チックとは、突発的、反復的、常同的な運動あるいは発声のことです。

チック症には、「運動性チック」と「音声チック」があり、それぞれ「単純チック」と「複雑チック」に分類されます。

◯運動チック・・・一見するとクセに見える体の動きのこと。

  • 単純性運動チック

まばたき、首ふり、肩をすくめる、四肢の伸展など

  • 複雑性運動チック

物を蹴る、飛び上がる、他の人の運動のまねなど

◯音声チック・・・咳払いがもっとも多く、「あ〜」や「うん」など単純な音声や複雑な発声をすること。

  • 単純性音声チック

咳払い、うなり、鼻鳴らしなど。しばしば横隔膜や中咽頭収縮筋の収縮によって引き起こされる。

  • 複雑性音声チック
    自分で言った言葉を繰り返す、最後に聞いた言葉や音を繰り返す、わいせつな言葉、人種的・宗教的中傷など。

チック症の原因とは?

チック症の発症の原因としては、 身体因 (チックの中枢として脳の線状体(せんじょうたい)の障害説などがある)と 心因が相互に関係 しあっていると考えられています。とくに、子どもの発症に際しては、母子関係が重要な要因であるとする従来からの説もありますが、最近では素質としての 身体因を重視する傾向 があります。

本人は行為をやめようと思っても止められなかったり、ある程度コントロールはできるがその行為を行わないといけないという強迫観念が強くなった時、その行為を行うことで開放感が感じられるのです。

一般的にチックは 10歳まで に現れ、その後、成長とともに減少します。ただ、一部の人には成人を過ぎても症状が残る大人のチック症が見られることもあります。このように慢性化するものはチックではなく 「トゥーレット症候群」 と呼ばれます。チック症の患者の半数程度は、 自閉症や学習障害(LD)、ADHDといった発達障害の合併症 としてチックを発症していると言われています。

チック症の症状とは?

多くは目を ぱちぱちさせる、口をゆがめる、首をふる といった小さな運動ですが、 ジャンプ したり、 体全体を揺り動かす ような大きな動きのこともあります。また 咳払いや舌打ち がチックの症状である場合もあります。声が出る場合には、単純な声を出す場合もありますが、 汚言症 (おげんしょう)といって汚い言葉が出てしまうことがあります。

チックの症状は、 本人の意思に関わりなく (不随意に)現れます。精神的緊張があると起こりやすく、また、ある程度起こらないようにコントロールできる場合もあります。チックはそれ自体に苦痛はありませんが、人の前で起こると社会的に不都合な場合が多く、そうしたことが本人にとって大きな精神的苦痛になりえます。

トゥーレット症候群 では、身体的なチックに加えて、 汚言症 などの音声チックが起こりやすく、社会生活上大きな支障になります。また 注意欠如多動性障害強迫性障害 などをいっしょにもつことが多く、社会適応が困難になることがしばしばあります。

チック症の診断の基準とは?

チック症の症状は、 まばたき (瞬目(しゅんもく))、 首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げ など上位の身体部位によく現れますが、 飛び跳ね、足踏み、足けり など全身に及ぶ運動性チックといわれるものもあります。また、 咳払い、鼻ならし、叫びや単語を連発する 発声チックといわれるものもあります。

発症年齢は、 3〜4歳 の幼児期から始まり(初発)、 7〜8歳 の学童期(ピーク)に多くみられます。 男児に多い傾向 にあり(男女比は3対1)、その意味づけに関して定説はありませんが、一応この時期の男女の成長・発達の特異性によるものと考えられています。 診断は、一般には症状や治療経過の特徴などからなされています。ここでは、子どもの精神科などで用いられている診断基準を紹介しておきます。

チック症の治療と対応の仕方とは?

治療は、 「チック症という病気を治すのではなく、チック症の子どもを治療する」 ことになります。治療の目標は、 ストレスなどへの適応性を高め、人格の発達援助を目指す ことです。

子ども専門の精神科などでは比較的 重症な患児 が多く、その場合には 薬物療法 (主としてハロペリドールやリスペリドンなどの向精神薬)が行われます。一方、 軽症の場合 は、 遊戯(ゆうぎ)療法 などの行動療法的なアプローチが有効とされています。その際は、 親へのカウンセリングが重要 になります。

対応としては、 症状を誘発する緊張や不安を軽減、除去 することや、それへの 耐性 (たいせい)(精神的抵抗力)を高めるように援助することが肝要ですが、症状の出現をやめるように、いたずらに 叱責して注意を促すことは避けるべき です。むしろ、本人が症状にとらわれすぎないように配慮し、全身運動の発散に関心を向けさせ、一方では、何か興味を抱いて熱中できるもの(趣味的なもの)をもたせることが有効です。

しかし、症状が長期・慢性化し、多発・激症化する場合には、子ども専門の精神科などの医療機関への受診が必要になります。

てんかんの原因は、脳波の電気信号が乱れること

てんかんは、手足がつっぱる、意識をなくしてぼーっとするなどの症状が繰り返し起こる 病気です。一般的な病気で患者数は100人に1人と言われています。これは、 脳の信号がいきなり混乱を起こし、正しい情報の伝達ができなくなるため に起こるもの。

てんかんの症状のなかには、まばたきを繰り返す、肩をすくめる、手足の一部がつっぱる、口がピクピク動くなど、チック症と似たものがあります。ただし、チック症とほかの運動性障害の違いは、突発、急速、一過性、狭い範囲に限られた運動、神経疾患がないこと、同じことを何度も繰り返すこと、通常は睡眠中に症状がでないこと、再現と抑制がコントロールできることです。

チック症の原因が解明されていない のに対し、 てんかんの原因は脳の神経細胞が出す電気信号の調和が乱れて起こるもの と原因がわかっています。そのため、病院で脳波の検査、MRI、CTなどを行えば判明します。特に、てんかん患者の脳波は、発作が起こっていない間も特徴的な脳波のグラフを表すからです。

てんかん患者の約80%は薬によって、こういった発作を抑えることができると言われています。原因が明らかな場合は、外科手術で治療できる場合もあります。発作が起きている時は本人の意識がない場合もあるので、病院を受診する場合には、発作を見たことがある家族と一緒に行くか、その時の動画などを用意して行くなど、どんな発作だったのか明確に説明できるようにしていくと医師も診断しやすくなります。

チック,チック症の詳細

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