敗血症は、全身の臓器に炎症がおこる「全身性炎症症候群」を引き起こす重篤な疾患です。敗血症は、急速に症状がすすむ特長があり、時間単位で重篤化してしまう場合あります。敗血症に感染した患者のうち3人に1人は死に至ると恐れられているのです。

敗血症とはどんな病気?

敗血症とは、肺炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)など生体のある部分で感染症を起こしている場所から 血液中に病原体が入り込み 、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。背景として 悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病 (こうげんびょう)といった基礎疾患がある場合、あるいは 未熟児、高齢者、手術後 といった状態である場合が多いとされています。

敗血症の症状とは?

敗血症は、感染すると急速に症状が悪化します。敗血症の症状を理解しておくことで、早期の治療が行えます。風邪や下痢などの症状が悪化し、様子がおかしいと思ったら敗血症を疑ってください。

(1)発熱(38℃を超える)あるいは低体温(36℃未満)
(2)頻脈(ひんみゃく)(90回分以上)
(3)多呼吸(20回分以上)
(4)白血球数増多(12000μl以上)あるいは減少(4000μl未満)がみられ、このうちの2つ以上を満たす場合 が全身性炎症反応症候群と定義されています。

敗血症の症状は、 全身状態が急速に悪化する特長 があります。高熱が続く、意識がもうろうとするなどの症状が見られたら、早急に専門医の診断を仰ぐことが必要です。

敗血症の原因とは? なりやすい人はどんな人?

健康な人がいきなり敗血症になることはありません。 人間は、常に細菌などの病原微生物の攻撃を受けていますが、免疫のはたらきで、その侵入を防いでいます。たとえば、抜歯のあとには血中に高い頻度で細菌が侵入しますが、細菌は白血球に貪食(どんしょく)されるため、健康な人では一過性の現象で何ら症状はみられません。このように、 血液中に細菌が検出されても無症状の場合を、菌血症 (きんけつしょう)と呼びます。生後3カ月から3歳までの高熱のある小児では、菌血症の状態が一時的に生じている(潜在性菌血症)リスクが数%あるとされています。しかし、毒力の強い細菌の感染が起こり、十分な治療がなされなかった場合や免疫力の低下した状態などでは、細菌が持続的に血液中に侵入し、敗血症が起こります。

敗血症の治療方法とは?

敗血症は、発症して時間を追うごとに急速に重篤化をしていきます。敗血症の症状が見られたら、早急な治療が必要となるのです。一刻も早い抗菌薬の投与が求められます。

敗血症の治療には、強力な抗菌薬投与とともに、さまざまな支持療法が不可欠です。昇圧剤、補液、酸素投与などのほか、呼吸不全・肝不全・腎不全に対しては人工呼吸管理、持続的血液濾過透析(ろかとうせき)や血漿(けっしょう)交換などが必要になる場合もあります。

DIC(播種性血管内凝固症候群)を併発した場合には、蛋白分解酵素阻害薬やヘパリンを使用します。短期間の副腎皮質ホルモン薬が併用されることもあります。 近年ではグラム陰性桿菌(かんきん)による敗血症において重要な役割を担うエンドトキシン(細菌毒)を吸着する方法など、新しい治療法が試みられています。

敗血症性ショックの死亡率 は、原疾患、基礎疾患の有無、年齢、栄養状態により異なりますが、 40〜60% とされ、 多臓器不全症候群 に進むと、さらに死亡率が高くなります。

敗血症は、重篤化をすると死に至る恐ろしい病気です。致死率は高く、早期の治療が求められます。敗血症の症状や原因を理解しておくことが大切です。ただの風邪だと油断していると手遅れになる場合も。

敗血症を防ぐには免疫力の低下に要注意!

敗血症の原因となる病原体は、風邪や下痢などの感染症や肺炎や腹膜炎が考えられます。他にも、傷口から侵入した病原体から発症する場合も。しかし、敗血症は、誰でも感染する病気ではありません。免疫力が極端に低下していたり、幼い子どもやお年寄りなど体力が十分でない年齢の場合は感染のリスクが高まるようです。

原因菌は感染巣の部位により異なっていますが、臨床的には同じような経過をたどります。高齢者では、菌の侵入は、尿路感染症に由来するものが約30%と最も高頻度で、そのほか、中心静脈栄養(IVH)のための静脈内留置カテーテル、胆道感染症、呼吸器感染症、褥瘡(じょくそう)感染症などに由来するものが多くみられます。
 
敗血症性ショックを起こすと、患者の25%は死に至るとのこと。特に、子どもやお年寄りの場合は、注意が必要です。

敗血症の詳細

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