いぼとは、皮膚の表面にできる小さな突起物のことです。多くはウイルス性で、疣贅(ゆうぜい)とも言います。最も多いのは尋常(じんじょう)性疣贅で、表面がザラザラした硬い突起が手指や足底、ひざ、顔など、けがをしやすい場所にでき、放置すると痛みが出たり数が増えることもあります。

いぼ(尋常性疣贅)とはどんな病気?

ヒト乳頭腫ウイルス (ヒトパピローマウイルス)にはたくさんの種類があり、大別して 皮膚型粘膜・性器型 に分けられます。 尋常性疣贅は、皮膚型 のウイルスが皮膚に感染して、良性腫瘍の「いぼ」ができる病気です。

いぼ(尋常性疣贅)の症状とは?

外傷を受けやすい露出部、とくに 手指、足底、膝、顔面 に現れます。ささくれなど傷のある皮膚に感染し、数カ月後には光沢のある 皮膚色の1mm大 の半球状に隆起した発疹ができ、次第に大きくなって、表面が角化して粗く灰白色になります。

足の裏 では、体重のために隆起できず、魚の目状または 多発して敷石状 になり、タコやうおのめと間違われることもあります。 いぼの表面を削ると点状の出血 が見られることも特徴です。 顔面や首 では、 先端がとがった細長い突起物 になることがあります。

いぼ(尋常性疣贅)の治療方法とは?

一般的には、 液体窒素 を綿棒に含ませて、6〜7回、凍結と融解(ゆうかい)を繰り返す 凍結療法 を行いますが、痛いことと治癒率の低いことが欠点です。とくに、角質の厚い爪のまわりや足底では治りにくく、この場合はブレオマイシンの局所注射を行いますが、これもかなりの痛みを伴います。

電気焼灼 (しょうしゃく)や 炭酸ガスレーザー で蒸散させることもありますが、傷あとを残すことがあります。そのほか、 暗示療法や漢方薬のヨクイニン (ヨク苡仁)を内服する方法もあります。

いぼころりは角質を溶かすだけなので、かえって広げてしまうことがあります。凍結療法と組み合わせるとよい結果が得られます。

外陰部にできものがあるときはどうする? 受診すべき病院とは?

外陰部のできものは、一般論としては「数週間たっても大きくならず、痛くもかゆくもならない」場合はそのままでも問題ありません。治療が必要なのは、感染症や悪性腫瘍だったり、たとえ良性でも生活に支障が出てきたり、そのまま放置するとトラブルになるような場合です。病院に行ったほうがよいと判断した場合には、婦人科または皮膚科に行きましょう。ほとんどの病気は、どちらの科でも治療は可能です。少なくともその後の対応についてのアドバイスをもらえます。

(1)尖圭(せんけい)コンジローマ →婦人科または皮膚科へ
外陰部に先のとがったブツブツ がたくさんできて小さなカリフラワーのようになることが多く、痛みやかゆみはほとんどありません。ヒトパピローマウイルスの感染が原因で起こる、主にセックスで感染する性感染症の一つで、最近増えている印象があります。

がんのように命を奪うことはありませんが、見栄えも悪いし、妊娠中に発生した場合、赤ちゃんへの感染を防ぐため帝王切開になることもあり、女性にとって大きな問題です。

手術で切除したりして治療しますが、ウイルスをなくすことはできないので再発をくり返します。他人へ感染させないために、ブツブツがあるときにはセックスをしないようにします。また、ブツブツがなくなってもウイルスは残るため、セックスのときはコンドームをつけましょう。陰部を触った後は手を洗いましょう。ワクチンで防げるようになったため、そのうちに患者は減ると期待しています。

(2)性器ヘルペス →婦人科または皮膚科へ
外陰部に小さな水ぶくれ がたくさんでき、それがつぶれてただれたりします。初めて感染したときはとても痛くて座ることもできず、腫れてしまっておしっこが出せなくなるくらいで、入院する人もいます。

唇の周辺にできるヘルペスと同じ、 単純ヘルペスウイルス が原因で起こります。これもセックスによって感染し、よく再発します。

ヘルペスには抗ウイルス薬が有効で、早めに治療をすることで症状が軽く済みます。がまんできなくなってから駆け込んでくる人もいますが、早めに受診すれば早く楽になります。

(3)毛嚢炎(もうのうえん)、粉瘤(ふんりゅう) →婦人科または皮膚科へ
大きなニキビのようなもの で、外陰部には分泌腺も多いため珍しくありません。放置しておいてもよい場合がほとんどですが、細菌感染した場合には赤く腫れて、痛みがひどくなります。その場合は麻酔をして切開したり、抗菌薬を内服したりして治療します。

(4)バルトリン腺嚢胞(のうほう) →婦人科へ
腟の入口、 肛門に近い部分のあたりが腫れ 、直径3cmくらいの大きさになることもあります。単に腫れているだけで痛みもなければ、治療の必要はありません。細菌感染を起こした場合にはとても痛くなるため、切開して膿を出したり、抗菌薬を内服して細菌を抑えこんだりします。くり返す場合もあります。

(5)その他の良性腫瘍 →婦人科または皮膚科へ
体のどの部分にも「できもの」はできますが、良性の場合には大きさは変わらないことが多いです。大きくなる場合は麻酔をして完全に切除します。

ほくろといぼの違いとは? ほくろはどうやってできるの?

ほくろの正体は、皮膚の表面(表皮)にある 色素細胞(メラノサイト)が高い密度で集まってできた斑点 (はんてん)。色素細胞は表皮の下のほうに一定間隔で離れて存在していますが、かたまって増えることがあり、それがほくろです。顔だけでなく体のどこにでも見られます。

一方、いぼは、 ヒトパピローマウイルスが皮膚に感染してできる、良性の腫瘍 です。いぼとほくろは見た目は区別しづらいですが、根本的には全く違うものになります。

ほくろは、生後数カ月からでき始めて少しずつ増え、30歳を過ぎる頃からは新しくできるものは減ってくると言われます。そもそもなぜほくろができるのか、その理由は分かっていません。

ほくろが褐色や黒色なのは色素細胞がつくり出した メラニン色素 のせい。皮膚が 紫外線を浴びると色素細胞は褐色や黒色のメラニン色素 をつくって表皮細胞に分配。これによって表皮細胞の遺伝子が紫外線の障害を受けないように守っています。したがって、 ほくろのできやすい場所は紫外線の当たる部分 。顔が最も多く、次いで首、腕、手、肩など。

○ほくろに似た皮膚のがん・メラノーマ
一見ほくろに似ている厄介者が、 メラノーマ(悪性黒色腫) という 悪性の腫瘍 (がん)。色素細胞ががん化したものと考えられていて、がん細胞がメラニン色素を多量につくり出している場合が多いので主に 黒色 をしています。

子どもにできることはほとんどなく、 30歳以降にできる のが一般的。日本人にはまれながんですが、 足裏や手のひら、手足の爪 などにできやすいとされています。

一般的なほくろがメラノーマに変化することはほとんどありません。 しかし、もしもメラノーマだった場合、ほくろだと思って放っておくと進行してしまうことも。 思春期以降に初めて気づいたほくろが大きくなっていたら 、皮膚科の専門医に診てもらったほうがよいでしょう。

  • 直径が7mm以上(鉛筆の断面くらい)
  • 思春期以降にできて少しずつ大きくなっている
  • 形がいびつ(対称形でない)で色むらがある

尋常性疣贅,いぼの詳細

 いぼは、ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルスが皮膚に感染してできる乳頭腫で、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)と呼ばれる病気です。
 ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルス(ヒトパピローマウイルス)にはたくさんの種類があり、大別して皮膚型と粘膜・性器型に分けられます。尋常性疣贅は、皮膚型のウイルスが皮膚に感染して、良性腫瘍の「いぼ」...

尋常性疣贅,いぼの関連コラム

イボかと思ったら性病だった! 子宮頸がんの発生を高める感染症

ヒトパピロマーウイルス(HPVウイルス)の感染によって発症する感染症が、尖圭コンジローマ。一見普通のイボのようで自覚症状もほぼありませんが、子宮頸がんと関わりのある病気です。尖圭コンジローマと子宮頸が... 続きを読む

夏の子どもの健康トラブル-夏かぜ・脱水症・いぼ・水泡の対処法

夏は、子どもが感染症に悩まされることの多い季節です。保育所、幼稚園などの集団生活やプール遊びなど、感染する機会はいろいろあります。今回は、夏に気をつけたい子どもの主な感染症を取り上げます。 夏にもか... 続きを読む

尋常性疣贅,いぼ関連のニュース

goo検索で調べよう