とびひの正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。細菌が皮膚に感染して発症することでかゆくなり、掻きむしった手を介して、水ぶくれが全身へ広がります。その様子が、火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれています。

とびひ(伝染性膿痂疹)とはどんな病気?

黄色ブドウ球菌あるいは連鎖(れんさ)球菌による皮膚の感染症です。接触によって感染します。

とびひ(伝染性膿痂疹)の原因や特徴とは?

○水疱性膿痂疹
症状:水疱(水ぶくれ)、ただれ、かゆみ
虫刺されや湿疹、すり傷などから発症し、小さな水疱ができて次第に紅斑を伴ってきます。水疱は破れてびらんとなり、離れた部位にも伝搬(でんぱん)します。
なりやすい季節:初夏から初秋
なりやすい年齢:乳幼児・小児
原因:黄色ブドウ球菌。

○痂皮性膿痂疹
症状:炎症が強くかさぶたが厚く付く、小さな水疱から、膿疱(のうほう)とびらんを生じ、厚いかさぶたへと変化する。発熱、リンパ節のはれ、のどの痛みなど
なりやすい季節:季節に関係なく発症する
なりやすい年齢:小児より成人に多い
原因:連鎖(れんさ)球菌

また、アトピー性皮膚炎に合併する場合は激烈な症状を示すことがあります。原因としては連鎖球菌によるものが多いといわれています。まれに後遺症として腎炎を起こす可能性があります。

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状とは?

水疱性膿痂疹 (図46)は、虫刺され、湿疹などの引っかき傷、あるいは小さいけがなどのところに膜の薄い水疱ができます。 水疱内の液は次第にうみのよう に濁って、簡単に 破れてただれた皮膚 (びらん)となり、すぐに かさぶた ができて手でかいているうちに周辺だけでなく他の部分にも広がり、“飛び火”してゆきます。 軽いかゆみがありますが、熱は出ません

痂皮性膿痂疹 (図47)は、 季節や年齢に関係なく発症 します。小さい水疱あるいは膿疱で始まり、すぐに 黄色っぽいかさぶた となって、これらが 次々と急速に広がり ます。膿疱やかさぶたの周囲では最初から赤みが強く、全身の熱が出てのども痛く、病変の近くのリンパ節もしばしば腫れます。

いずれの膿痂疹も、顔や四肢など露出部にできることが多く、口のなかなど粘膜にはできません。手・足では角質層が厚いので、膿痂疹の水疱膜がしっかりして張り切った大きな水疱・膿疱となります。これを手足部水疱性膿皮症(しゅそくぶすいほうせいのうひしょう)と呼びます(図48)。

とびひ(伝染性膿痂疹)の治療方法とは?

水疱性膿痂疹 では、黄色ブドウ球菌によく効く 抗菌薬を3〜4日間内服 します。

痂皮性膿痂疹 では、 ペニシリン系薬の内服 が最も効果的ですが、黄色ブドウ球菌との混合感染も考えて内服薬を選びます。

水疱内の液やびらん部の分泌液がまわりの皮膚に付かないよう、水疱は内容液を抜いてから、かさぶたやびらん部には、抗生剤の軟膏(かゆみがあれば軽めの副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬の軟膏でもよい)を塗り、その上にリント布に厚く伸ばした亜鉛華(あえんか)軟膏を貼って包帯をします。乾いてくれば抗生剤の軟膏(または副腎皮質ステロイド薬の軟膏)だけにして亜鉛化軟膏は中止しますが、かさぶたが取れるまで治療を続けます。

膿痂疹が治るまでは、 風呂よりシャワー浴 のほうがよく、 かさぶたや分泌物をよく洗い落とし 、そのあとで軟膏療法を繰り返します。痂皮性膿痂疹の場合は、 糸球体腎炎の合併を予防 するために、よくなってもさらに 約10日間は内服 を続けます。

とびひが子どもにできたらお風呂や学校はどうする?

皮膚を清潔に保つため、入浴するのは良いことです。患部を刺激しないよう、石鹸を泡立ててきれいに洗ってあげましょう。感染力が強いので化膿があるときは湯船には入れず、シャワーだけにしておいた方が無難です。もし、どうしても湯船に入りたいときは家族別にするか、最後に入れましょう。

入浴後は、タオルの共用もしないように注意します。また プールでも人にうつす可能性がある ので、泳いでいいかどうかは医師に相談してからにしましょう。
登園・登校については、とびひは「学校保健安全法」で「学校感染症、第三種(その他の感染症)」に定められている病気です。他の子どもにうつす可能性があるため、医師の診断のうえ、患部をガーゼで覆って接触しないなど措置をすれば登園・登校の許可がおりることがあります。

とびひは塗り薬や内服薬で適切な処置をしなければ、なかなか治らない ばかりか周囲へ感染を広げてしまう厄介な病気です。すり傷やあせもなどが悪化したと思い込み、発症に気づくのが遅れることも多いので、ぜひ正しい知識を身につけて、お子さんのお肌を守ってあげましょう。

伝染性膿痂疹,とびひの詳細

 黄色ブドウ球菌あるいは連鎖(れんさ)球菌による皮膚の感染症です。「とびひ」とも呼ばれ、接触によって感染します。
 黄色ブドウ球菌あるいは連鎖(れんさ)球菌が皮膚の浅い部分に感染し、水疱(すいほう)あるいは膿疱(のうほう)をつくる化膿性の病気です。黄色ブドウ球菌が原因の時は水疱ができるので、水疱性膿痂疹(ブドウ球...

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